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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻7号

1975年07月発行

文献概要

日常検査の基礎技術

検査室における消毒法

著者: 高橋昭三1

所属機関: 1結核予防会結核研究所細菌血清科

ページ範囲:P.771 - P.778

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 臨床検査室の中で,最も感染の危険に関して安全な所は,細菌検査室であろうとよくいわれる.この検査室では感染の危険にさらされている意識があり,常に対応策を実施しているからである.他の検査室に来る検体が,細菌検査室に来る検体よりも安全だという保証はない.特に結核菌,肝炎ウイルスに注目する時,検査室に適した消毒法を検討しておくことが必要である.消毒法には,病原菌を殺す方法として,以前外科で用いられた煮沸消毒法がある.これは炭疽菌芽胞を殺すことができるので,十分であるとされた.肝炎ウイルスに関しては,大量の水で洗浄する方法が選ばれる.殺すとか,不活化する方法の確立していないウイルスについては,このような方法で,感染の危険のなくなるまで希釈する方法が消毒法として考えられるが,多くの微生物について考えると,水で洗いそれを下水に導くことは,人間の生活から切り離すことで,人の疾患と縁を切る点では同じであろう.とにかく,具体的に,人に再び感染症を起こすことのないようにすることが消毒だといってよい.細菌検査室のみでなく,他の検査室も,何らかの消毒手段を講ずるべきなのであるが,高圧滅菌が常に最適の手段ではなく,より能率的な方法があるはずである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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