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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻7号

1975年07月発行

Senior Course 血清

—最新の免疫学的検査法—免疫不全症候群Ⅰ—基礎

著者: 冨永喜久男1

所属機関: 1九大医療短大部

ページ範囲:P.800 - P.801

文献概要

 1952年,ウォーター・リード陸軍病院(ワシントン)の小児科医Col Ogden C. Brutonは,肺炎および肺炎による敗血症を繰り返す8歳の男児について当時としては可能なあらゆる検査を行ったがほとんど異常がなく,ただ一つ血清のチゼリウス電気泳動法による検索でγ-グロブリン分画が全く欠如していることをつきとめた.この症例は事実,γ-グロブリンの定期的注射を受けることによって感染症に罹らなくなったと報じられているが,その後,多くの類似の病態ないし症例が報告され,一時,抗体欠乏症候群と呼ばれたこともある.しかし,近年における免疫学の進歩,殊にリンパ球に関する知見の進展に伴いこの病態も新たに見直されるようになってきた,周知のように,生体が示す免疫反応には,抗体性免疫反応と細胞性免疫反応とがあるが,これらの反応におけるeffector,すなわち抗体とリンパ球の産生障害により引き起される病態が免疫不全症候群(Immunologic deficiency syndromes)あるいは免疫不全病(Immunologic deficiency diseases)である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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