icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻8号

1975年08月発行

文献概要

技術解説

尿の定性検査の実際

著者: 降矢震1

所属機関: 1千葉大・検査部

ページ範囲:P.817 - P.825

文献購入ページに移動
 尿の成分の変化は,その由来する血液よりもはるかに早期に出現する.尿への排泄は血漿の恒常性を保つ大きな因子だからである.また糸球体瀘液が百分の一にも濃縮されることは,その変化を非常に増幅する.尿の定性反応が,ときとして血清の精密検査に勝ることがある所以である.
 かつては尿検査に携わる技師は,他の部門よりも何となく軽んぜられたようである.確かに用いる機器は他と比べて簡単であり,一見低級に見える.しかし,鋭敏な観察力.臨機の処置が要求される点では,いかなる高価,精密な機器を用いる検査に勝るとも劣らない.昨今試験紙法が広く行われている.簡易迅速ではあるがこれにも多くの問題がある.今我々の日常経験したことにつき本稿を記した.その内容は限られた少数についてであり,常識化したことも多い.指導者のいない小検査室の方々に,もし何らかでもお役に立てば幸いである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?