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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻8号

1975年08月発行

文献概要

私のくふう

セルローズアセテート膜の流パラ除去法

著者: 谷敷輝夫1

所属機関: 1北大付属臨床検査技師学校

ページ範囲:P.866 - P.866

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 セルローズアセテート膜を用いた免疫電気泳動検査は,カンテンを支持体とした方法よりその再現性に劣るとはいえ,簡便なため普及している.しかしインキュベーションに流パラを用いるため,その除去に労力を必要とし,作業能率の著しい低下を来しているのが実情と思われる.目的はどのようにしたらいかに能率よく流パラを落とせるかということにある.
 従来からゴム手袋などをつけて強い水流で時間をかけて膜表層の流パラを落とし,その後水流の中に長時間入れて泳がし除去していた.それでも十分に流パラを除去できず膜が汚れて染色されてしまうことはたびたび経験することであろう.アスピレーターを使うことによりこの問題が解決される.アスピレーターから生ずる無数の気泡が膜にぶつかる水の表面積を大きくし,付着している流パラを気泡がよく取り除くためか,流パラがどろどろに付着している膜をそのままアスピレーターから生ずる気泡の中に入れておいても,30分間ほどで流パラがすっかりとれてきれいになる.必要な器具はアスピレーターだけである.アスピレーターの先端は図のように1〜2lのポリビーカーの水中に入れた状態にする.そうしないと膜がビーカーから流出してしまうおそれがあるし,より効果的でもあるようだ.あとは水流を適当に調節すればよい.一度実施してみてはいかがでしょうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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