icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻9号

1975年09月発行

文献概要

研究

自家合成基質およびEskalab kitによる酸性ホスファターゼのRate Assay—Roto Chem IIへの応用

著者: 下中恵美子1 安部彰1 酒井正衛1 川出真坂1

所属機関: 1岐阜大病院中検

ページ範囲:P.968 - P.970

文献購入ページに移動
はじめに
 血清酸性ホスファターゼ(AcP)の定量は,前立腺癌,特にその転移の診断に有用な検査法であるが,採血後の安定性に乏しく,また測定依頼件数は多くない.すなわちAcPは小数検体の緊急処理を要する検査であり,この目的にはCentrifugal fast Analyserの利用が最も適している.しかし著者らの検索した範囲ではrateassayによるAcPの適当な測定法の報告が見当たらないので,自家合成基質をRoto Chem IIに応用する方法の検討を行った.すなわちクエン酸酸性下にリン酸を遊離すると発色する基質として,β-amino-α-naphthyl phosphateを合成し,これを用いたAcP測定条件の検討を行った.その後本研究の続行中にFabing-Byrdら1)の報告に基づくと思われるSmith Kline社のEskalab kitが市販された.この方法は著者らの合成した基質と類似したα-naphthyl phosphateを基質としているが,基質溶解性および反応経過において著者らの合成基質より優れていることが認められた.ここにRoto Chem IIへの応用を目的として検討した結果を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?