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文献詳細

雑誌文献

臨床検査2巻1号

1958年01月発行

文献概要

高級技術講義

新鮮組織による酵素の細胞化学

著者: 市川収1

所属機関: 1農林省家畜衛生試験場研究第3部

ページ範囲:P.22 - P.36

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 固定しない組織片を用いて細胞化学的染色を試み検鏡することの意義とその方法についてのべておこう。それは細胞は核と細胞質とからなり立つが,主として細胞質の機能をしらべるためである。特に細胞質にはいろいろの酵素系が存在し,物質代謝の触媒をなし,生活機能をいとなむ上に大切である。多くの酵素はコロイドであるが,水,グリセリン,稀薄な中性塩,酸,アルカリ,稀薄なアルコールに溶け,純アルコールによつて沈澱する性質がある。従つて固定組織で酵素を証明する方法(ホスフアターゼ,リパーゼなど)もあるが,アセトン,アルコールの固定が奨励されているわけである。しかし呼吸酵素などでは新鮮組織でなければなし得ないものもある。それに最’近ではアゾカプリングの利用による酵素化学が発達してからは,新鮮組織をうまく利用すれば,生体細胞内の酵素位置および活性度を知ることが出来るので,合理的であり今後大いに発達するであろう。外科手術材料動物実験材料,バイオプシー材料,細菌,精子,虫卵,白血球などいろいろのものに利用出来ると思うので説明したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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