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文献詳細

雑誌文献

臨床検査2巻10号

1958年10月発行

文献概要

技術解説

血清鉄測定法

著者: 島田敏夫1 吉野芳夫1

所属機関: 1日本医科大学栄養学教室

ページ範囲:P.601 - P.605

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 血清に鉄液を添加すると,鉄は血清蛋白質中のβ1 Globulin分劃に属する鉄結合性蛋白質(Siderophilin1),Transferrin2))と優先的に結合する。しかも新らしく加えられた鉄と既存する血清鉄との間に何等の差違も認められない3)。また鉄結合性蛋白質の総鉄結合能力は300〜352μg/dl4)とされ,血清鉄の正常値は約100μg/dlであるので,平素みられる動揺範囲内では血清鉄は常にFe⧻・β1 Globulin結合体として存在すると考えて支障ない。したがつて血清鉄を測定するにあたつて,鉄はすべて鉄・蛋白結合体であることを前提として考えねばならない。
 従来報告された血清鉄測定法を検討すると,鉄抽出法と鉄測定法の2階程に区分して考えることが出来る。第一の抽出法には塩酸抽出5),血清蛋白質の熱変性を利用した還元抽出6),還元剤による還元抽出7)の3方法がある。また第二の鉄測定には上記の抽出液より一定量をとつて,比色測定する方法が主として行われているが,そのための鉄呈色試薬としてThiocyanate,o-Phenanthroline,Quinaldin-酸,5-Sulfoanthran-酸,Nitroso-R塩等が使われる。このうち吾々の研究室で常用される方法2種について記載する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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