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Thrombokinase "Geigy"を用いてのプロトロンビン時間1段測定法
著者: 藤巻道男1 山田茂2
所属機関: 1東京医科大学 2中央検査科血液部
ページ範囲:P.563 - P.565
文献購入ページに移動血液の凝固は,第1段階で血小板の破壊にはじまつて血漿中にトロンボプラスチンが生成されると,それは血漿中のプロトロンビンをトロンビンに転化させる。このプロトロンビン→トロンビン転化が,第1図に示すように凝血第2段階であり,同時に或る種の凝固促進因子(即ち安定因子(第7因子),不安定因子(第5因子)),並びに凝固阻害因子がこれに関与するのである。この理論に基づいて影響の最も大きいトロンポプラスチン(組織)を充分に作用させて,血漿中のプロトロンビン濃度を測定するのが,プロトロビンの1段測定法である。現在最も用いられているのがQuick法,またはその変法である。
凝血検査としてプロトロンビン時間1段法は,臨床方面にその必要性が認められ広範囲に施行されるようになつてきた。しかし従来はその試薬の調製,検査の手技等について難点もあるようであつた。試薬の調製は時間を要し,高価な家兎脳より作らなければならない。しかし現在は組織トロンボプラスチンを製品化して市販されているが,その一つとして簡易に操作のできるThrombokinase ‘Geigy’を用いてみたので,その手技と成績について述べる。
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