文献詳細
文献概要
Senior Course 共通
電気による災害予防
著者: 長尾透1
所属機関: 1社会保険中央総合病院
ページ範囲:P.1106 - P.1107
文献購入ページに移動電撃の際の人の反応をみると,マクロショックのときには1mVくらいでビリビリと感じ,この電流を最小感知電流という.次いで電流が増すと,電流の出入部位の筋肉がけいれんを起こし,苦痛を伴うようになる.そして電源から手を離すことができなくなる.このときの電流を離脱電流と呼んでいる.その限界は10〜20mAといわれている.更に強まれば,痛み,気絶,激しい疲労を起こし,ついに心臓,呼吸系統は興奮する.そして100mA〜3Aくらいとなれば心室細動を起し死に至る.この中で安全対策に大切な値は最小感知電流であり,電流それ自体に危険はないが,不意のショックを受げると,驚いて,二次的災害を起こすおそれがある.
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