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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻2号

1976年02月発行

文献概要

技術解説

血小板粘着能検査—ガラスビーズ法

著者: 安永幸二郎1

所属機関: 1京大・第1内科

ページ範囲:P.135 - P.140

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 血小板は止血血栓の形成に重要な役割を演ずるから,その減少や機能低下は出血傾向を生ずるが,逆に血小板の増加や機能亢進は血栓傾向を招来して問題となる.血小板機能のうち,最も重要なものはその理学的な機能ともいうべき粘着(adhesiveness)と凝集(aggregation)であって,これらの検査は先天性血小板機能異常症の診断に不可欠であるのみならず,近年,虚血性心疾患,糖尿病など,血栓傾向の予防的治療に際して大きな注目をひくようになった.
 血小板粘着能の測定には古くから種々の方法が考案されてきたが,現在ひろく用いられているのはSalzman法1)およびHellem II法2),ないしそれらの変法である,その原理は一定の大きさのガラスビーズを一定量(したがってガラスビーズの表面積が一定となる)を詰めた管内を血液を通過させ,その前後の血小板数を測定して,減少した血小板数(いわゆる粘着血小板)の比率(血小板粘着率を求めるものである.Salzman法が被検者よりガラスビーズ管を通して吸引採血するのに対し,Hellem II法はいったん採血した後ガラスビーズ管に血液を押し出して通過させるものである.Hellem I法は抗凝固血を用いたが,抗凝固剤は血小板粘着能を低下させるから,ナマの血液をそのまま通過させるほうが良い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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