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リンテストによる血清中無機リン測定法の検討
著者: 大井昭代1 荻三男1 荒木仁子1
所属機関: 1東京女子医大臨床中央検査科化学部
ページ範囲:P.197 - P.199
文献購入ページに移動血清中無機リンの測定法は,一般的に酸性のもとで無機リンをモリブデン酸と結合させて生成されるモリブデン青を比色定量する.還元剤として,Fiske-SubbaRow1)およびその変法2,3)ではamino-naphthol-sulfon酸を使用する方法で,現在でもこの方法が主に日常検査に採用されている.Lowry-Lopez4)はアスコルビン酸を還元剤に使用しモリブデン酸濃度を下げ不安定リン酸の加永分解を5%以内に下げた.高橋5)は,酸性においてリンモリブデン酸をイソブタノールに抽出分離しアスコルビン酸で還元させ発色を安定させた.この方法では不安定有機リン酸の分解が全く起こらないことを報告している.また,微量法としてTaussky法6)を改良し簡便化させたGoldenberg法7),および久城ら8)による塩化第一錫を用いる方法などがある.しかし,これらの方法はすべて除タンパク操作を行うため操作が煩雑である.今回,L—アスコルビン酸(還元剤)を錠剤化し,除タンパク操作を行わず,迅速に無機リンの測定が行えるリンテスト(関東化学製造,中外製薬販売)について基礎的な検討を行ったので報告する.
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