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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻2号

1976年02月発行

文献概要

Senior Course 血液

ヘモグロビン量の測定について

著者: 黒川一郎1

所属機関: 1札幌医大中検部

ページ範囲:P.224 - P.225

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ヘモゲロビン
 ヘモグロビン(以下Hb)は6.4×5.5×5.OÅの大きさを持ち,グロビン(globin)にヘム(heme)が結合した色素タンパク体で,グロビンは2種のポリペプチド鎖(α,β)のそれぞれに1個ずつのヘムがついたものが2つずつ集まった4量体である.成人Hb (Hb A adultα2,β2)のα鎖は141個,β鎖は146個のアミノ酸のポリペプチド鎖で,全体として曲りくねって三次構造を作っているが,その中でらせん状の部分と直線部分を区別する.グロビン鎖のN末端からアミノ酸に番号をつけるが,らせん状部はA……H,直線部分はその両側のらせん部分の字(例えばBC, EFなど)で表現する.鎖の終末はC末端であるが,親水性の基は外方に,疎水性の基は内方に向かい内面疎水性の空間を作る.2対のα,β鎖は2つの様式で結合する(α1≡β1,α2≡β2,α1—β2,α2一β、).前2者は34のアミノ酸残基を含み,固く結合しているが,後者は約20個のアミノ酸残基を含み緩く結合している(図1,2).
 ヘム核はプロトポルフィリンの中央にFeをもち,Feは2価のイオン価をもつが同時に6個の配位結合をしている.4個はポルフィリン核の中心のNと,2個はαでは58,87番目のhistidine,βでは63,92番目のhis-tidineと結合している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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