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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻3号

1976年03月発行

文献概要

研究

脳波各種単極誘導法の研究

著者: 阪本実男1 石川準一1

所属機関: 1大阪府立成人病センター第一部脳神経科脳波室

ページ範囲:P.304 - P.308

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はじめに
 脳波を記録するには1対の電極が必要である.この一方の電極を脳の電位に対してゼロまたはゼロに近い点に置けば,ほぼ脳の電位変動をそのまま記録できる.このような電極を不関電極と呼び,これを使って記録する方法は単極誘導法である.したがって常にゼロ電位にある不関電極を使って単極誘導を行えば,脳の電位変動の絶対値が得られる,すなわち,脳波の周波数や振幅,波形その他の情報を知るためには,単極誘導が基準となる.現実に電気的に真のゼロ点を選び出すことが極めて困難であるので,通常は脳から比較的離れた1耳朶,2鼻尖,3眉間,4後頭結節,5乳頭突起,6第7頸椎棘突起,などを利用している.しかし,これら1〜5の部位は,近接する脳からかなりの量の電気活動の波及を受けて電位変動を起こしている.また一つの脳波記録図の内に異なった条件—頭皮上の活性電極と不関電極の距離によって短いものは低振幅に,長いものは高振幅に出現する—が混在することは好ましくない,したがって最適な不関電極の選択ということが常に問題となってくる.
 著者らは,不関電極の電位変動の影響を調べるため,耳朶単極誘導法,平均関電極法1,2),頭部外平衡不関電極法3)を並行して使用し,視覚的観察により3者を統計的な方法で比較検討し,知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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