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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻3号

1976年03月発行

文献概要

Senior Course 生化学

—臨床化学検査における酵素化学—酵素による定性・定量分析 Ⅲ

著者: 山下辰久1

所属機関: 1順大・生理化学

ページ範囲:P.352 - P.353

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尿素の定量
 タンパク質代謝すなわちアミノ酸窒素代謝の主要な終末産物である尿素は,肝臓において合成され腎を通って尿中に排泄される.したがって,腎機能の低下により血中尿素量は増量し,また肝機能が極端に低下するとNH3→尿素の生成が行われなくなり,血中アンモニアが増加する.
 現在用いられている尿素定量法には,Xanthydrolによる方法(尿素と反応して不溶性沈殿(Dixanthyl ur-ea)を生ずることを利用し,この沈殿を比濁法,比色法その他Kjeldahlによる窒素定量法などを用いて測定する)やDiacetyrmonoxime, Dimethylglyoximeまたはp-Dimethylaminobenzaldehydeによる比色法などがあるが,最も特異的な定量法は下に示すような反応を触媒するウレァーゼ(Urea amidohydrolase,EC 3.5.1.5)を用いる方法であり,尿素の酵素分解により生じた二つの反応産物であるアンモニアと炭酸ガスとを測定することにより試料中の尿素量を定量しようとする方法で,ウレアーゼは尿素のみに作用するので生じた反応物は尿素だけから生じたものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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