文献詳細
総説
文献概要
薬物とは生体または生体組織に何らかの影響を与える物質を指すもので,このうら疾患の治療や健康を維持するために用いられる化学物質を医薬品と称し,生体の機能に障害を与えるものを毒物と称している.しかしながらこれら両者の区別は判然としたものでなく,医薬品であってもその量を過大に投与することにより毒物となり,一般的には有害作用の強い毒物とされているものも,量によっては安全な医薬品として用いることができる.このように医薬品と毒物との区別は本質的なものではなく,量的なものであるため,医薬品であっても種々の中毒作用が発現することがある.本稿では主として臨床検査の観点からその検査法に関する諸問題について述べてみたいと思う.
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