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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻4号

1976年04月発行

文献概要

Senior Course 血液

顆粒球と単球の機能

著者: 黒川一郎1

所属機関: 1札幌医大中検部

ページ範囲:P.452 - P.453

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顆粒球
 顆粒球は赤血球同様骨髄で作られるが,赤血球と違っで骨髄それ自体が顆粒球のプールになっている.顆粒球は,幹細胞がleucopoietin (仮称:LPO)の作用を受けて,骨髄内で分化・成熟を行い,次いで末梢血流に入る.この幹細胞に対してLPOとerythropoietinは競合的関係にあるといわれる.血流中の顆粒球はTBGP(total blood granulocytic pool)と呼ばれ,それはCGP (circulatory granulocytic pool)とMGP (margi-nated granulocytic pool)に区別される.CGPは流血中の顆粒球,MGPは血管壁に付着したものと,毛細血管から組織に移行する顆粒球を含み,この二つは完全に平衡状態にある.末梢血の白血球数はCGPの白血球数を表す.一般に骨髄プールの顆粒球数対TBGP比は約30:1,MGP対CGPは13:10くらいであるという.すなわちTBGPは骨髄プールの1/30くらいである.TBGPの成熟顆粒球は必要に応じて組織にでると,再び血中にもどらないが,骨髄内プールは細胞の迅速な充足に役立っている.
 好中球数の増減は骨髄・TBGPと対比しながら考えるのが便利である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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