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臨床化学分析談話会より・43<関東支部>
腎臓と検査の隔り—腎病態解析の現状
著者: 戸谷誠之
所属機関:
ページ範囲:P.273 - P.273
文献購入ページに移動 第197回分析談話会関東支部会(1976.11.16)は東大薬学部講堂において開催された.診断へのアプローチシリーズという本年度の企画も残り少なくなり,次回からの腎臓疾患シリーズをもって最後となる.今回はその準備段階として北里大学医学部腎センター助教授の酒井糾先生から"腎機能検査の基礎について"と題して,腎病態解析の現状と将来について総論的な話題が提供された.
腎臓学は近年,人工透析,人工腎,腎移植といった領域に多くの研究成果を示し,その結果腎機能検査も高度化,細分化の傾向を示しているが,いまだ病態の微細変化を追跡する目的において検査万能という状況にはない.例えばクレアチニンクレアランスを一例にすれば,糸球体機能を表現するには個体差,年齢差,病態差など余りにも多くの変動要因のため大局的な数値と言わざるを得ない.
腎臓学は近年,人工透析,人工腎,腎移植といった領域に多くの研究成果を示し,その結果腎機能検査も高度化,細分化の傾向を示しているが,いまだ病態の微細変化を追跡する目的において検査万能という状況にはない.例えばクレアチニンクレアランスを一例にすれば,糸球体機能を表現するには個体差,年齢差,病態差など余りにも多くの変動要因のため大局的な数値と言わざるを得ない.
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