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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻6号

1977年06月発行

文献概要

技術解説

細菌性毒素と抗毒素の検出法・4—致死毒(2),その他の細菌毒素

著者: 三輪谷俊夫1 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所・細菌血清

ページ範囲:P.599 - P.606

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致死毒(前号より続き)
4.破傷風毒素(neurospasm-in, neurotoxinまたはtetanustoxinとも呼ばれている)
 破傷風菌が産生する菌体外毒素にはtetanolysinと,いわゆる破傷風毒素(neurospasmin,neurotoxinまたはtetanustoxin)がある.破傷風の症状と関連深いのは後者である.抗原型によってA〜Fまで型別されているボツリヌス毒素と異なり,毒素産生株によって産生されるneurotoxinはすべて同一抗原型のものであり,分子量約15万,等電点5.0〜5.2の単純タンパク質である.なおtetanolysinはストレプトリジンOと同様,酸素によって不活化されるoxy-gen-labileの溶血毒であり,強い心臓毒性によって動物を殺す致死活性を示すが,破傷風という疾患の症状との関連性についてはほとんど研究されていないので本稿では省略する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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