icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床検査21巻8号

1977年08月発行

雑誌目次

カラーグラフ

細胞診とコンタミネーション

平田 守男 , 五嶋 成博

pp.814-815

 細胞診標本に異物が混入(コンタミネーション)する例は意外と多い.しかし,異物の混入は細胞診に限られたことでなく,臨床検査の各分野にも起こりうるもので,コンタミの特徴は検体の種類を問わない点にある.その大半は成書にも明確な記載はなく,私たちは専門家の意見を求めて走り回ったり,なおかつ不明の異物として処理するより方法がないのである.異物の形態は癌細胞や虫卵などと酷似するものがあり,その鑑別は重要であると考える.

 なお特に花粉の同定に多大のご協力をいただいた佐藤重雄技師(雄勝中央病院)に深謝する.

解説

平田 守男

pp.816

 クルシュマン螺旋体(図2)一般に喘息患者によく見られるとされているが,肺の慢性炎症など喀痰スメアにしばしば見出される.濃縮した粘液分泌物が小気管支狭窄部を急激に通過する際に形成されると言われている.PAS反応陽性.

技術解説

HLA検査法Microlymphocyte Cytotoxicity Test

長谷川 恒彦 , 岩城 裕一 , 和田 寿郎 , 林 喬義

pp.817-825

 ヒトリンパ球上のHLAは組織適合性抗原として臓器移植の臨床に広く用いられているばかりでなく,近年,ある種の疾患とHLAとの相関が認められるに至り,疾病の診断学の分野へもその応用範囲が広がってきている1)

 HLAの検索に当たってはmicrolymphocyte cytotoxicityテスト法が再現性においても優れており,また,そのテスト手技も比較的簡単なことから現在最も広く用いられている2,3).以下,我々が行っているリンパ球分離精製法,micro-lymphocyte cytotoxicityテスト手技,及び抗血清のHLA特異性の分析法などについて述べるとともに,HLA検索に必要な試薬ならびに器具などについても付記する.

リンパ球のCytotoxic activityの検査法

安元 公正 , 真鍋 英夫

pp.826-830

 癌に対して生体が抵抗性を獲得しうることが,多くの実験腫瘍について確認され,この抵抗性獲得の機序は免疫学的機作に基づくと考えられている.ヒト腫瘍の場合にも同様の機作に基づく宿主抵抗性が考えられており,その存在を示す報告は枚挙にいとまがない1〜5)

 腫瘍に対する免疫反応のうち生体にとって有利に働くのは,多くの場合細胞性免疫と考えられ,液性免疫は時として,細胞性免疫反応を阻止すると言われる(図1).そこで,担癌患者の細胞性免疫能を知ることは,寄主抵抗性の度合を知るうえで,重要な意義を持っているのである.一般に,担癌患者の細胞性免疫能を検出する方法として,種々の抗原に対する遅延型皮膚反応の検出(例えばツベルクリン反応),試験管内でのphytohe-magglutinin (PHA)などのmitogenに対する患者リンパ球の反応性の測定,MIF活性の測定,腫瘍細胞に対するリンパ球の細胞障害性の測定などがある.このような方法の中で,腫瘍細胞に対する細胞障害性の測定は,他の方法に比べて腫瘍に対する細胞性免疫という観点から,より腫瘍細胞に対して特異的な方法と考えられている.

螢光偏光法によるリンパ球活性化の測定法

橋本 康男 , 高久 史麿

pp.831-834

 細胞性免疫能を把握する方法の一つにリンパ球幼若化反応がある.この方法はヒトの末梢血リンパ球にPhytohemoagglutininやConcanavalinAなどの分裂素を加えて刺激し,リンパ球を分裂増殖させ,DNA合成期に入ったリンパ球にH-Thymidineを取り込ませ,放射活性を測定し,リンパ球幼若化の程度を測定する.しかしこの方法は次のごとき短所を有する.①48時間から72時間の培養が必要である.②放射性同位元素を用いるので特別の設備が必要である.③培養を行うため無菌操作が必要である.④人工的な培養液,特にウシ胎児血清を使用する場合には,非特異的なリンパ球の幼若化現象がみられる.したがって,リンパ球の幼若化を早く,正確に把握できる方法が必要である.リンパ球の幼若化現象の一連の過程の中で,最初のリンパ球活性化に着目し,従来のリンパ球の幼若化現象の代わりに使用する試みが行われた.リンパ球に刺激素を加えると,リンパ球細胞膜の流動性が変化し,キャップフォーメーションを起こすことが報告されている.このリンパ球細胞膜の流動性の変化は,3H-thymidineの取り込みでみると,リンパ球幼若化反応とよく相関し,これはリンパ球幼若化反応の最初の反応と推定される.リンパ球の細胞膜をDPHという螢光色素で標識し,螢光偏光法にて,螢光偏光度を求め,間接的にリンパ球の膜の流動性を測定する.

臨床化学分析談話会より・48<関東支部>

新しい分析技術の展望—固定化酵素の臨床検査への応用

戸谷 誠之

pp.835

 第201回分析談話会関東支部会(1977.4.21)は東大薬学部記念講堂において開催された.毎年4月の例会は参加者が多いが今回は講師のすばらしさも加わり会場は超満員となった.今期は新しい分析技術シリーズという企画で始まる.同日はその第1回として"固定化酵素の臨床検査への応用"と題し,その基礎的概念から応用面に関する内容が,味の素生物科学研究所の弓狩康三先生と京都大医学部教授の村地孝先生から話題提供された.

 近年の酵素利用の進歩は酵素の持つ性質をその触媒機能を損なわずに変化させ,よりいっそう利用度を高めることを見いだした.例えば酵素は水に溶解した状態で基質との間の機能を果たす.しかしこの状態では1回の反応ごとに酵素を捨てることとなり,高価な酵素では経済効率も不良となる.そこで不溶性酵素または固定化酵素が合成された.

総説

新しいウイルスワクチン

高橋 理明

pp.837-842

 新しいワクチンという定義はいろいろに解釈され得るが,本稿では既に実用化されていて,最近改良されたワクチン,新しく実用化されたワクチン及び近い将来実用化される可能性のあるワクチンについて述べたい.

私のくふう

脳波計ポンプ式インキ容器の改良

福田 邦昭

pp.843

 日常検査に使用している脳波計(三栄)のインキ容器は,ポンプを挿入して使用するが,その容量が50mlのため,数日ごとにインキを補充せねばならず,その都度ポンプを取り外す作業を要する.これを省くため,不用になったエラスター針のビニール管を中材よりもらってインキ補充口を取り付けた.

 材料:15G×31/2エラスター針,ビニール管.

メチル紫によるアミロイド染色の改良法

安藤 千秋 , 柳原 誠

pp.891

 日常病理検査室でのアミロイドの証明には,コンゴー赤染色,チオフラビンTなど各種の特殊染色法が報告されている.メチル紫(メタクロマジー)による染色はかなり特異性があると言われている.しかし一般に行われているメチル紫染色法は,操作は簡単ではあるが,染まりが淡く,染色後の退色が早く長期保存が困難である.また,Romeis1)の染色法は,染まりは良好ではあるが操作が複雑でしかも長期保存は困難である.今回,我々が改良した染色法は,切片をスライドに貼付し,脱パラフィンすることなく,そのまま染色した点,及びキシレンによる脱パラフィン後,直接バルサムで封入する点である.そうすることによりメチル紫はキシレンで不溶解であるため,美麗な標本を得ることができる.そのうえ,標本は長期保存に耐え,更に偏光顕微鏡で,アミロイド物質特有の偏光を証明できる特徴を有している.

臨床検査の問題点・93

尿中17-OHCS,17-KSの測定誤差

岩井 一義 , 有末 一隆

pp.844-849

尿中ホルモン測定は,24時間畜尿のため日内リズムに左右されずにできる利点がある一方,尿中には大量の代謝産物が排泄されることで,これを含めて測っている点や,最近のような多種多様の薬剤による影響は,ルーチン検査として大きな問題となっている.(カットは尿中17-OHCSの薄層クロマトグラフィーによる分離)

検査と疾患—その動きと考え方・8

サルモネラ症

小張 一峰 , 岩永 正明

pp.850-855

 患者 佐○隆○,37歳,男性.

 臨床診断 パラチフスA.

Ex Laboratorio Clinico・8

家族性LCAT欠損症の発見

内藤 周幸

pp.856-863

 家族性LCAT欠損症は1967年ノルウェーのNorum & Gjone1〜3)によって報告されて以来,最近のカナダのVancouver General HospitalのDr.Frohlichからの私信及び我々の家系を含め,今日まで世界で10家系,21症例が発見されているが,東洋人種については我々の家系が初めての症例である.

座談会

免疫血清学的検査の明日を語る

松橋 直 , 福岡 良男 , 宮井 潔 , 河合 忠

pp.864-871

 この10年間の臨床検査界において最も進歩したものに検査の自動化があげられるが,それと並んで抗原抗体反応を使う,いわゆる免疫血清学的検査の進歩・普及も目覚ましく,臨床医学における種々の病態解明に大きく貢献している.そこで今月は免疫血清学の専門家に,その将来を語っていただく.

新しい神経・筋機能検査・2

聴性脳幹反応—聴性誘発反応の早期成分

加我 君孝 , 高橋 邦丕 , 八木 聡明 , 鈴木 淳一

pp.873-881

 聴性脳幹反応(Auditory Brain Stem Respo-nse)は,聴性誘発反応の早期成分で1970年Je-wette5)らによって初めて報告された.音刺激には主に立ち上がりの鋭いクリックを使用し,毎秒10〜30回の頻度で音刺激を与え,約2,000回の誘発平均加算を行うと,頭皮上の記録で,分析時間10msec内に7つのピークから成る連続波形が得られる.その後の研究から,この反応(Audi-tory Brain Stem Response;BSRと略す)は従来のAuditory Evoked Response (AER)として知られる聴性誘発反応の遅い成分とは異なる特徴が明らかにされた.

 AERは大脳誘発反応と考えられ,刺激の種類を異にする視覚誘発反応(VER),体性知覚誘発反応(SER)と反応潜時も波形も大体類似していることから,刺激そのものは,それぞれの末梢感覚装置を介するが,反応そのものは非特異的であると考えるのが一般的である.AERは臨床的には,主に乳幼児,脳神経疾患症例における他覚的聴力検査として使われてきた.ところが睡眠の深度に影響され反応の判読が困難となったり,反応の再現性に欠ける点があり,聴力の域値の推定や,聴神経路の中枢での障害部位の診断には十分信頼に足るものではない.そのために応用範囲や研究者も限られていた.しかし,BSRは以上の欠点を克服する長所がいくつかある.

検査技師に必要な統計学の知識・2

度数分布表の処理

臼井 敏明

pp.882-885

 今回は量的情報が度数分布表やヒストグラムとして整理された後,どのように処理するかについて述べる.

研究

Auto Counterによる血小板数算定法—標準試料に関する検討

蠣崎 郷子 , 津嘉山 良子 , 掘江 久美子 , 森 智恵美 , 工藤 秀機 , 田上 憲次郎

pp.886-889

はじめに

 近年,血小板数自動算定装置は,検査室への血小板数算定依頼の増大とともに,器械の原理や,それに基づく実用性が問題となってきている.当病院では,全血のまま測定可能なテクニコン社Auto Counter (血小板数用オートアナライザー)を導入し,ルーチン化する前段階として種々の検討を試みたところ,測定には必須である血小板標準試料(Platelet Reference N)について,標準物質として使用するにはやや不満足な点があることを見い出したので報告する.

編集者への手紙

簡便な髄液細胞採取方法

久米 芳見 , 二宮 恒夫

pp.890-891

 髄液細胞数の変動と同時にその細胞組成を調べることは,疾病の病態像を理解するうえで,非常に重要なことは言うまでもありません.髄液細胞を詳しく分類するためには,できるだけ大量の髄液細胞の採取と,鮮明な塗抹標本の作製が必要です1).しかし,ただ単に髄液を遠心分離し,管底の細胞を塗抹したのでは,細胞の破壊がひどく,目的を十分に達しえないことが多い.現在,髄液細胞の分類に有用な方法として,①沈殿法2,3),②ミリポアフィルターを用いる濾過法4),③サイトセントリフユージ法5)などが考案されています.これらの方法のうち②は細胞が壊れやすく,③は非常に高価であるという欠点があります.そこで我々は,沈殿法を参考により安価で簡便な装置を考えたので紹介します.

 この装置は,内径約1cm,長さ5cmの透明なプラスチック管(井内盛栄堂より販売されている),濾紙,ゴムバンド,固定台より成り,図のごとく組み立てる.すなわちスライドグラスの上にプラスチック管を載せ,その間に管の内径に一致した孔をあけた濾紙をはさみ,固定台に取り付けたゴムバンドの弾性を利用して圧迫する.プラスチック管内に採取した髄液を注入すると濾紙が圧迫されているので,髄液の液体成分はゆっくりと濾紙に吸収され蒸発し,細胞は沈殿してガラス面に粘着する.なおプラスチック管の切り口はサンドペーパーにて滑らかにし,この平面で濾紙を圧迫することにより細胞が濾紙に吸収されるのを防ぐ.

新しいキットの紹介

心電図電極用ペーストの皮膚障害についての検討

榊原 茂 , 吉川 邦彦 , 水野 信行

pp.892-893

はじめに

 我々は,心電図記録時,電極と皮膚面との接触抵抗を少なくするために用いる心電図電極用ペーストの皮膚障害性の有無について検討したので報告する.

CPKアイソエンザイムの分離測定

岡部 紘明 , 伊藤 繁子 , 提坂 和代 , 野間 昭夫 , 岩崎 勤 , 松下 哲 , 蔵本 築

pp.894-897

緒言

 クレアチンホスフォキナーゼ(CPK)は骨格筋,心筋,平滑筋及び脳に分布し,血清中のCPK活性は進行性筋ジストロフィー,多発性筋炎その他の筋肉疾患,心筋梗塞発作後1),脳血管障害の急性期などに上昇し,また筋肉内注射によっても活性の上昇が認められる2).このように活性測定は臓器診断的特異性という点で十分ではないが,近年CPKアイソエンザイムの分離測定が可能になってきたので,特に心筋梗塞の際の有力な診断法として用いられてきている.血清中には主として3つのアイソエンザイムが知られていて,電気泳動上アルブミンとほぼ同じ移動度を示すBB (脳型),γ-グロブリンとほぼ同じ移動度のMM (筋型),また両者の中間位でβ-グロブリンとほぼ同じ態度を示すMB (心筋型)である.これらのアイソエンザイムの分離法としては電気泳動による方法があるが3),これは装置,時間及び定量性という面で欠点を有している.これに対しイオン交換樹脂による分離法が開発され4,5),これは特別な装置を必要とせず,簡便な方法であるが,希釈されるので,分離後の活性測定に問題があった.今回イオン交換樹脂による分離後の活性測定法に改良を加えた試薬を取り入れたキット(藤沢メディカルサプライ,Worthington社製)を用いて,CPKアイソエンザイムの分離測定の検討を試みたのでその結果を報告する.

新しい機器の紹介

血小板粘着能測定管を用いた血小板粘着能の測定

木村 潔 , 姫井 紀美子 , 中尾 初江 , 中村 恵子 , 本郷 真里 , 横溝 俊子

pp.898-900

緒言

 血小板は血管の内膜が正常で生理的な場合には付着しないが,血管内膜に何らかの傷害があるとその部分に付着して,いわゆる粘着(adhesion)という現象が起こる.特に血管が破れて結締織のコラーゲン線維やmi-crofibrilが露出するとこの現象は著明であって,このような血小板の粘着や凝集によって血小板血栓ができ,破れた血管を応急的に補修する.すなわち,血小板は止血機序における止血血栓の形成に主導的な役割を演ずるものであるが,更に血栓症の発生ないし進展にも密接に関与している.したがって,血小板粘着能が低下ないし欠損している場合には出血傾向が,亢進している場合には血栓傾向がもたらされるのである.出血傾向が認められる患者,特に血小板数が正常で出血時間が延長するような場合の診断には,血小板粘着能の測定は極めて有意義な資料を提供する.

 血小板粘着能測定には種々の方法があるが,今日広く用いられているのはガラスビーズ管に血液を通過させるSalzman法1)ないしその変法である.安永ら2,3)は,ガラスビーズ法における測定上の問題点を検討し,Salz-man法を改良し,自動血液吸引装置によってガラスビーズ管の血液通過速度を一定にした血小板粘着能測定装置を作製しており,我々は今回これを用いて以下の検討を行った.

Laboratory Instrumentation

螢光光度計

辻 章夫

pp.902-905

1.原理と特徴

 螢光分析法は,試料に励起光を照射し,その結果放射される螢光を測定して定性,定量を行う分析法である.

 光の吸収と発光の過程を模式的に図1に示す.基底状態(S0)にある分子が光を吸収して高いエネルギーレベルの励起一重項状態(S1,S2,……)に移る.図1には振動エネルギーレベルも示してある.光の吸収は分子の基底状態の低振動エネルギーレベルから起こり,励起状態の幾つかの振動エネルギーレベルに移る.大部分はS1状態に励起され,S2,S3,……に移ったものは約10−12秒以下でS1状態へ光を放射せずに移る(無放射遷移).次いでS1の最低振動レベルに移り,そこから基底状態の可能な振動レベルに光(螢光)を放射してもどる.螢光はほとんど励起一重項状態の最低振動レベルから起こるので吸収された光のエネルギーよりも熱エネルギーとして損失した分(無放射遷移)だけ小さくなり,したがって,螢光は吸収された光より長波長であり,螢光スペクトルと吸収スペクトルは鏡像関係がある.

検査室の用語事典

呼吸機能検査

田村 昌士 , 遠藤 和彦

pp.907

73) Moximal recoil pressure (PstTLC);最大(肺)弾性収縮圧

 最大吸気位における静的肺弾性収縮圧である.一般にPstは肺気量依存性があるため,一定の肺気量位,例えばTLCあるいはFRCレベルで表す.またPstは年齢による変動が比較的大である.肺線維症ではPstの上昇,肺気腫症ではPstの低下がみられる.

免疫・血清学的検査

松橋 直

pp.908

102) H antigen;H抗原

 サルモネラなどの鞭毛抗原.またABO型抗原の前駆物質で分泌型のヒト体液中にもある.

質疑応答

臨床化学 酵素測定の用語

H.O生 , 遠藤 治郎 , 村地 孝

pp.909-910

 〔問〕いわゆる酵素活性の初速度分析に対して,reaction rate assay, kinetic assay, continuous monitoring methodなどの言葉が使われているようですが,それらの用語について解説いただきたい.

臨床化学 全血放置と血清LDH

O.S生 , 北村 元仕 , 飯森 糸子

pp.910-912

 〔問〕血清LDHは全血放置によって,血球から逸脱しやすいということが教科書にも書いてありますが,全血で放置するだけなら溶血をしない限り問題にならないという意見もあります.どちらが本当なのでしょうか.

血液 プロトロンビン時間の成績表現法

M子 , 鈴木 弘文 , 櫻井 純子

pp.912-913

 〔問〕プロトロンビン時間(一段法)の成績表現法は一般に測定値(秒)あるいは活性値(%)で行われていますが,各検査室間での比較にはプロトロンビン時間比(ratio)が良いとされている.その理由をお教えください.

血液 出血時間の測定法

M子 , 松野 一彦

pp.913-914

 〔問〕出血時間の測定は我が国ではDuke法が用いられていますが,外国ではIvy法が標準的な方法とされていると聞いています.その理由及びIvy法が良いとすればなぜ我が国で一般化しないのかお教えください.

免疫血清 リウマチ因子検出用ラテックス試薬中の解離IgG

T子 , 鈴田 達男

pp.914-916

 〔問〕リウマチ因子検出用ラテックス試薬の上清を免疫電気泳動したらIgGが明らかに証明されました.これでは被検血清中のリウマチ因子を中和し,弱陽性検体が陰性になってしまうのではないでしょうか.

免疫血清 沈降線の交差

K生 , 河合 忠

pp.916-917

 〔問〕免疫電気泳動法で,IgGとIgAが完全に交差しているときと,陰極側で枝分かれしている場合がありますが,なぜでしょうか.また,臨床的に意味があるのでしょうか.

免疫血清 血清中β1C/1Aグロブリン量測定時の注意

C子 , 平松 誠一

pp.917-918

 〔問〕一元放射免疫拡散法(SRID)によるβ1C/1Aグロブリン定量の際,被検血清の採取,保存でどのような注意が必要でしょうか.

病理 組織内真菌の検出法

T子 , 奥平 雅彦 , 久米 光

pp.918-919

 〔問〕組織内真菌の検出法として,螢光法が有効と聞きました.一般的真菌検出法の留意すべき点と螢光法などについてお教えください.

病理 色素の染色機構

E生 , 高橋 博行

pp.919-921

 〔問〕組織の切片標本を染色するとき,酸性色素が細胞形質を染め,塩基性色素が核を染めると一般に考えられましたが,共通の化学構造式とか共通の荷電状態とかがあるものでしょうか.また染色される組織切片のほうに前処理でもすると,いっそう染色効果があるような例はありませんか.

微生物 臨床細菌学と医学細菌学/雑件 検査技師の医療過誤

N生 , 小澤 敦 , I子 , 佐藤 乙一

pp.921-922

 〔問〕臨床細菌学と医学細菌学は同義語でしょうか.もし違いがあればお教えください.

 〔問〕臨床検査技師が医療過誤で起訴されたことはあるのでしょうか.あるのでしたらどのような事例でしょう.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら