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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻1号

1978年01月発行

文献概要

技術解説

血液粘稠度の測定

著者: 磯貝行秀1 横瀬琢男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学・第3内科

ページ範囲:P.20 - P.26

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血液粘稠度と血液の流動的性質
 流動している液体がある時間経過した後に静止状態になるのは,流体の持つ粘性という性質のためである.すなわち流体は内部に無数の層状構造を保って流動していると考えられるが(層状流動),流層が互いに接した部分では接線方向の速度はそれぞれ異なっており,両者間には速度の差を小さくしようとする作用(内部摩擦)が生じている.このように,流体がある外力に対応して生じた流れの速さは内部摩擦によって規定されるもので,これを粘性と呼んでいる.
 この粘性を物性値として定量的に表すために図1のようなA,Bなる平行2平面間の流体について考えてみたい.A面を固定してB面を平行にずらすとυ2,υ1なる速度で流体は同一方向に移動する.流動速度が余り大きくなければ流線は2平面と平行に層状の流動を示す.このような流れを層流という.この場合の2平面間の流体の速度変化量は,流線に対する垂直方向すなわち図1のy軸方向の距離に比例する.すなわち,単位距離当たりの流速の変化量γとすれば(1)式となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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