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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査22巻10号

1978年10月発行

雑誌目次

カラーグラフ

ペチロミセス症

赤木 正志 , 高安 進 , 河上 清

pp.1050-1051

 偶発的感染を起こす真菌には,自然の生態系においてヒトの病原菌であるよりも植物や昆虫の寄生菌として知られているものがある.Paecilomyces lilacinusもそのような性格を持つ真菌の一つである.最近この菌種によるヒトの皮膚感染例が認められ,またこの菌種はカイコノウジバエの幼虫であるキョウソに感染し,まれにカイコにも寄生を起こす菌種と同一種か極めて近縁の菌である可能性が明らかとなった.このような事例に遭遇するにつけても,異なる分野の研究者の間で互いに情報の交換されることが切に望まれるものである.

解説

赤木 正志 , 高安 進 , 河上 清

pp.1052

 Paecilomyces lilacinusはかつてSpicariaあるいはPeni-cilliumとされていた糸状菌であるが,ヒトの病原菌として話題にのぼることはほとんどなかった.1974年,阪大皮膚科に5歳のころから10数年にわたって頑固な皮疹を頬〜頤部に発生した女子の患者が受診し,翌年それが意外にもこの菌による真菌感染症であることが明らかとなり,その病原性について新たな認識が必要となってきた.この症例はArch.Dermatol.,113, 1687〜1690, 1977に報告されたが,北里大学でも黒色真菌症に合併した膿瘍性肉芽腫から本菌種が分離きれている.1972年,Fenechらも胸水から本菌種を分離しており,歴史的には1905年にBaquisらがVerticillium rubrumと命名した菌による角膜潰瘍を報告しているが,同一菌種のものと推察される.

 阪大分離のP.lilacinusは淡桃色の美しい集落を作る菌である(図5).集落の裏面はサブロー培地ではクリーム黄色であるが,ツァペック培地やツァペック・ドックス培地では酒赤色の色素を産生して極めて印象的な菌である(図7).

技術解説

Cyclic AMPの測定

宮地 幸隆

pp.1053-1058

 CAMPはペプチドホルモンのセカンドメッセンジャーとしてのみならず細胞の分化,増殖及び分泌機構に重要な役割を果たしていることが示されている.組織内に微量にしか存在しないCAMPを測定するためには,enzymic cycling法1),luminescence法2),enzymatic radioisotopic dis-placement法3)などが使用されていた.しかしいずれも操作が繁雑であり,まずCAMPを抽出し,他のヌクレオチドより分離精製した後に測定する必要があり,また測定系の感度,精度も十分ではなかった.1969年に発表されたCAMPdependent protein kinaseをCAMPの結合タンパクとして使用するcompetitive protein binding法4)は,上述の測定法と比較して感度,再現性,操作法の簡便さなど優れているが,なお特異性に,したがってCAMPの抽出分離の必要及び感度に更に改善の余地が残されていた.

 同じころSteinerら5)により開発されたラジオイムノアッセイ法は特異性,感度,精度も十分に満足されるものであり,現在広く用いられている.ラジオイムノアッセイ法は最近注目されてきたCGMPに対してほぼ同様に応用できる.

電子顕微鏡的酵素組織化学の手技と実際—加水分解酵素(Hydrolases)の証明法を中心に

矢島 美穂子 , 畑 俊夫 , 相原 薫

pp.1059-1068

 酵素組織化学とは酵素の細胞内局在あるいは酵素活性の動向から,細胞の機能を形態学的立場より捕らえようとする学問の分野である.近年電子顕微鏡の発達に伴い,従来の光学顕微鏡的立場に加えて更に微細なレベルで酵素の局在を把握できるようになり,臨床検査の面からもその重要性が注目されてきつつある.酵素は国際的な分類法では大きく6群に分けられ(表1),そのうち電顕的に証明できると報告されているものは80種以上にのぼる2).今回は比較的よく証明される酵素のうち加水分解酵素の幾つかについて,反応基質液の作り方を中心に解説することにする1〜5,11).なお光顕的証明法の詳細については他書1〜5)にゆだねるので,必要とあればこれらを参考にしてほしい.

ミニカラムの技術

杉田 収

pp.1069-1075

 最近のカラムクロマトグラフィーの発達が,生化学の学問分野に大きく貢献したことは周知のとおりである.多くの生化学研究室に大小さまざまなカラムが林立している風景は,その有用性を如実に物語っている.

 臨床生化学の分野においても,近年その技術が急速に取り入れられている.とりわけミニカラムを用いた方法が迅速性,検体の微量性の面で多検体処理に適しており,臨床生化学の要求を満たしてくれるため多くの検査室に普及した.ディスポーザブルのミニカラムによるキットが市販されたことも普及した一因と思われる.

総説

CTと脳波

喜多村 孝一 , 今永 浩寿

pp.1077-1082

 近年,医療にコンピューターを導入しようとする試みが盛んであるが,CTはその中で最も成功したものの一つであろう.1972年に英国のG.N.Hounsfieldによって開発されたCTは,1975年夏に本邦に導入されてから全国の医療機関に驚くべき勢いで普及し,現今では少なくとも脳神経外科領域ではCTなくして脳疾患の診断を語ることができないと言えるほどになった.

 一方,脳波は1929年にドイツのHans Bergerによって開発されて以来,膨大な臨床的経験を積み,脳の機能的検査法として完成され,日常臨床に大きな役割を果たしてきた.そして近年,脳波の計量化が進み,また各種の誘発電位が臨床診断に応用されるようになり,臨床検査法としての脳波も着実に進歩していると言える.

私のくふう

セルロゲルを用いる電気泳動法における迅速緩衝化法と透明化法について

谷川 忠義

pp.1083

1.緩衝化と透明化

1)迅速緩衝化法

 セルロゲルは30%メタノール中につけて湿潤状態で保存されており,使用時には使用する緩衝液に約30分間つけて緩衝化を行わなければならない.

臨床検査の問題点・107

肺機能検査とエマージェンシー

谷本 普一 , 羽毛田 雅子

pp.1084-1089

臨床生理検査室では心電図検査と並び肺機能検査にもエマージェンシー(緊急事態)の可能性が潜んでいる.スパイロの最中に呼吸困難が起こった場合,技師としてとる処置は—,未然に事故を見ぬくための着眼点は—,また最近普及してきた運動負荷試験についても言及する(カットはIPPBでの吸入)

検査と疾患—その動きと考え方・22

糖尿病

中島 信治

pp.1090-1097

 症例 S.U.女性,主婦

 主訴 右悸肋部痛,特に過労後に起こる.胸部圧迫感.両側四肢,特に指先のしびれ感

Ex Laboratorio Clinico・22

Hb M症

柴田 進

pp.1098-1103

幅広い学問の素養

 その人に運がついていると,次々に物事がうまく進行して難問を思いがけなく解くことができるものである.それとは反対についていない場合には,一所懸命努力しても成果が上がらない.だれであったか記憶していないが,ある作家がいかなる名将・名提督も運の悪い人は戦争に負けると書いていた.そのとおりであろう.こう言ってしまえば人生すべて運によって決められるのであるから,勉強家にとってはなはだ味気なく,何もする気が起こらなくなることだろう.しかしここで大切なことは,"する気"をもっていないと運もまたついてくれないことである.私は運が命ずるままに素直に,どんなことでも自分の好悪を離れて精進し,いろいろなことを手掛けて経験し,自分の守備能力範囲を広くしておくことこそ好運をつかむ道であると信ずる.つまり一口に言えば随時自分に与えられたものに,真剣に取り組んで腕を磨くべきである.狭い領域を深くつき進み,高度の知識と技術を発揮しつつある専門家から見れば,いったい何をやっているか分からない"何でも屋"で,道草ばかり食っている男だと見なされても,功をあせらず平気でいられる神経の太さが必要である.

 ところでこのように人を育ててくれる学問があるとすれば,それが医学の中では臨床病理学である.私は学生時代に化学が大嫌いで,できれば将来この科目に接触せずに一生を過ごさせていただきたいと願っていた.

座談会

正常値—その考え方と求め方

大場 康寛 , 北村 元仕 , 林 康之 , 臼井 敏明

pp.1104-1112

 正常値──これは検査と臨床を結ぶ最も基本的な窓口であり,かつ生体情報としての検査データを生かす基本的な数値であるにもかかわらず,測定法,サンプリング,生理的変動などによって大きく影響を受け,施設によってみな違うと言っても過言でない.では現時点で,正常値をどう考えどう求めれば良いか.

新しい末梢脈管機能検査法・4

リンパ系の生理と検査

入沢 宏

pp.1113-1116

 心臓から駆出された血液は毛細血管に分岐し血流速度は減少し,再び合流して静脈に至り,心房に還流する.末梢の微小血管野には毛細血管のほかに他の管系,すなわち毛細リンパ管系がある.毛細血管から透過した水や大きな分子の物質は,一部は再び血管に吸収されるが,他は毛細リンパ管系へと吸収される.血管壁から透過する水は毎日約20lに達するが,そのうち16〜18lが血中に再吸収され,残りの2〜4lが毛細リンパ管へと吸収される.体重1kgについて毎時1〜1.5mlのリンパが血液からリンパ液に移行する.リンパのタンパク濃度は約4%であるから,1日中では65〜100gのタンパク質がリンパから血中に還流する1).この系を通ってのタンパク質の還流が妨げられると,生体は1日足らずのうちで低タンパク血症を起こすこととなる.リンパ管系は従来,血管系とは別箇に扱われていたが,体液循環系における一つの系として理解しなければならない.

 血管の分布していない上皮組織,角膜,軟骨組織また血管は存在していても骨髄,肺胞,脾髄などには毛細リンパ管の分布は認められていない.また中枢神経系にも毛細リンパ管が知られていない.一方,皮膚,胃腸消化管系,尿生殖器系,呼吸器系には極めて豊富な毛細リンパ管網がある2)

臨床化学分析談話会より・61<関東支部>

いかに測定誤差因子と対処するか—GOT・尿糖サーベイから

大竹 皓子

pp.1117

 第213回分析談話会関東支部例会は,1978年6月20日東大薬学部記念講堂で開催された.今回のテーマは"ISQCで語られなかったこと"①GOTサーベイに関連して(慶大中検・加野象次郎先生),②尿糖測定のサーベイに関して(北里大臨床病理・斎藤正行先生)の2題であった.

 既にご存じのとおり去る6月3,4日の両日,内外から臨床病理・臨床検査領域の多くの専門家の参加の下に,第3回精度管理に関する国際シンポジウム(The Third International Symposium on Quality Control)が東京にて盛大に開催されたが,今回の談話会は,このシンポジウムでISQCサーベイ委員会からGOTと尿糖測定に関してのサーベイの企画と解析を依頼され,その結果を発表されたお二人の先生にISQCでは触れなかった内容をも含めて話題を提供していただいた.まず,加野先生は,今回のサーベイに当たって全国の218か所の検査施設に内容の異なる5種類のサンプルを配布し,あらかじめ用意された測定法などに関するアンケートの回答を基に,①我が国におけるGOT測定の精度管理の現状,②施設間における系統誤差及び変動の諸因子,③将来の標準化への展望の3点を主眼として解析されたデータを示された.

研究

はり付け法による脂肪染色の試み—クロム硫酸カリウムゼラチン法

宗岡 熙 , 岡本 勲

pp.1118-1119

はじめに

 Daddi (1896)以来脂肪染色は,今日までいろいろな方法が試みられている.脂肪は,アルコール,キシロール,ベンゼン,クロロホルムなどの有機溶剤に溶けるため通常のホルマリン単独固定パラフィン切片を用いることはできない.しかし重クロム酸カリウム,オスミウム酸,ホルマリンカルシウムなどで固定あるいは再固定し脂肪を不溶性にすればパラフィン切片法でも可能である1).だがこれらの方法は,時間が長くかかることや操作が煩雑なこと2)から一般には余り用いられず,今日ほとんどの脂肪染色は凍結切片による切片浮遊法が用いられている.しかし,この方法も切片作製に高度の技術が要求され薄い良好な標本を得にくく,特に脂肪成分に富む組織や脾,リンパ節などを染色操作するときたいへん難しいことを日常経験する.そこで著者らは,螢光抗体法で使用するはり付け剤すなわちクロム硫酸カリウムゼラチン混合液3)を用い,その強力な接着力によりスライドグラス面から切片が剥離することなく極めて薄い切片でも簡単に操作でき,しかも細胞と脂肪との関係も明瞭で染色性も良好な標本を得ることができたので,その方法について報告する.

Counter immunoelectrophoresis法によるHp型判定の検討

吉岡 尚文 , 嶋田 ひとみ , 高橋 建吉

pp.1120-1123

はじめに

 近年,血清中のハプトグロビン(Hp)をはじめとするグロブリン亜分画の定量が諸種疾患について盛んに行われてきており,Hpは肝疾患や溶血性疾患で減少ないし消失し,逆に悪性腫瘍や炎症性疾患では増加することが知られている1).Hpは遺伝的に1-1型,2-1型,2-2型の3型に分類され2),定量に際しては検量線より求めたタンパク量にそれぞれの型に相当する係数を乗じて算出する必要がある.したがってHpを定量する場合には,あらかじめHp型を決定しておく必要がある.Hp型の判定はディスク電気泳動あるいはデンプンゲル電気泳動後ベンチジン染色を施して行ってきたが,ベンチジンの発癌性が問題になって以来,入手が困難となり,在庫を倹約して使用したり,あるいは他の染色剤を用いたり,免疫電気泳動法によって型判定を行っているのが現状である.

 今回私たちはcounter immunoelectrophoresis法(CIEP法)によりHp型の判定を行い,ディスク電気泳動,ベンチジン染色3)による結果と比較したところ,本CIEP法にても型判定は可能であり,かつ手軽であるため,十分実用性があると考えられたのでその方法について報告する.

血清保存中における抗体活性の変動

松井 博範 , 神保 芳郎 , 井上 裕正

pp.1124-1126

はじめに

 免疫血清学的検査を行うには新鮮な血清を材料にすることが望ましいが,保存した血清を用いなければならない場合もある.このようなときには血清中に含まれる免疫グロブリン量,あるいは抗体価などについて保存期間中における変動をあらかじめ知っていないと測定値の判読は極めて困難であろう.

 一般的に,血清を保存するには冷蔵庫内に静置するか,あるいは冷凍庫内に凍結保存するように言われているが1〜3),保存中における血清成分の変化,特に抗体活性の変化についての具体的な測定値は記載されていない.そこで我々は,血清を各種温度に保存した場合と凍結融解を繰り返した場合について,免疫グロブリン量(IgM, IgG)及び梅毒血球凝集反応の抗体価を指標として血清の抗体活性の変動を観察したところ,ある程度の期間における保存と10回までの凍結融解では抗体活性に変動は認められなかったのでここに報告し,参考に供したい.

新しい機器の紹介

嫌気性菌輸送用容器の検討

渡辺 泉 , 江崎 孝行 , 今村 博務 , 甲畑 俊郎 , 渡辺 邦友 , 二宮 敬宇 , 上野 一恵 , 鈴木 祥一郎

pp.1127-1131

はじめに

 ケンキポーター(クリニカルサプライ)は,嫌気性菌の存在を疑う臨床材料の輸送及び保管の目的で作られた容器である.またVacutainer anaerobic specimen co-llector(Becton-Dickinson)は,スワブ付きの輸送用容器である.材料採取後直ちにこれらの容器に収容することにより,材料の空気暴露を最小限にし,嫌気性菌の死滅を防ごうとするものである.そこで我々は,ケンキポーター及びVacutainer anaerobic specimen collector中での嫌気性菌の生存について検討したので報告する.

パイルチューブNo.1による腸内細菌群同定について

神永 陽一郎 , 和泉 宗昭

pp.1132-1136

はじめに

 最近臨床細菌検査の領域において注目されることの一つに,腸内細菌群同定の簡易化及び迅速化を目的としたAPI (以下AP),Miniteck (以下MT),Enterotube(以下ET),Rbなどの簡易同定キットが市販されている事実がある.これらの中には単に腸内細菌群の同定にとどまらず,ブドウ糖非発酵性グラム陰性杆菌,嫌気性菌及び真菌の同定ができるものもある.前記の製品はいずれも輸入品であるが,諸家の報告1〜4)によれば多少の問題点はあるとしても,かなり高い確率で同定が可能であると述べられているので,人員不足に加えて極めて繁忙な検査業務に寄与するところが大きいと言えよう.したがってこれらを日常検査に導入する施設が増加しつつある事実は周知のとおりである.

 今回同様の目的で我が国で初めて製品化された腸内細菌群の簡易同定キット"パイルチューブNo.1(以下PT.図1)"の提供を受け,検討する機会を与えられたので,当院細菌検査室における慣用法と比較し,その信頼性及び問題点などについて検討した結果を報告する.

Laboratory Instrumentation

マイクロカロリーメーター

須藤 三都歳

pp.1138-1141

 生物体は非常に多種類のタンパク質,核酸,多糖類,脂質その他の高分子,低分子量物質から構成されており,これらの物質はそれぞれ特異的な構造と反応性をもって細胞下構造,細胞,組織,更に生物個体を作り上げ,代謝,生長,運動などの生物活性を維持するための反応を行っている.これらの反応にはエネルギーの変換と流れが伴うので,エネルギーの出入の直接定量を行う熱測定は生体エネルギー論の一つの重要な研究手段である.

 マイクロカロリーメーター(LKB社)にはフロー型,アンプル型,バッチ型があり,幅広い種類の試料に対して使用可能に設計されている.反応熱,結合熱,混合熱,希釈熱などのマイクロカロリー量の熱測定に適し,生化学方面においてはタンパク質—タンパク質間結合反応,酵素活性反応,抗原—抗体反応,酵素—基質間反応,酵素—阻害物質間反応,代謝熱測定に使用できる.

検査室の用語事典

心機能検査

椎名 晋一

pp.1143

106) Strain type depression;負荷型降下

 心電図のST降下において,盆状降下(→97)と逆に上に凸の形を呈しながらST部分が基線より下がるものを言い,通常T波も陰性化を示す.一般に左室肥大のときに高いQRS棘とともに見られる所見で,左室負荷に基づくと考えられている.

内分泌検査

屋形 稔

pp.1144

91) Renin activity;レニン活性

 血清レニン測定はレニン活性で表現されることが多い,これは正常血清中レニン基質の濃度がアンジオテンシンの最大量を作るに必要な濃度よりも低いためで,基質を過剰に加えないで,単に内因性レニンを内因性基質に作用させ測定し,アンジオテンシンng/ml/時間で表現する.これに対し基質を過剰に加えるときレニン濃度(Goldblatt単位×10−4ml)で表現できるが,基質の低い例で混乱を来すこともある.

質疑応答

臨床化学 血清コレステロール酵素法の誤差

Y生 , 亀井 幸子

pp.1145-1147

 〔問〕血清コレステロールの酵素法による測定における誤差を招く恐れのある血中生体内物質についてお教えください.

免疫血清 梅毒と細胞性免疫の関連性について

K生 , 田中 忍

pp.1147-1149

 〔問〕梅毒検査のSTS 3法やTPHA反応は液性抗体を検査しているのですが,梅毒に細胞性免疫が関与しているということを聞きました.その理由を教えてください.

免疫血清 不規則性正常同種抗体

A生 , 安田 純一

pp.1149-1150

 〔問〕不規則性正常同種抗体(抗H,抗P,抗N,抗Lea,抗Lebなど)が低温においても反応し,凝集するときもありますが,この場合抗N寒冷凝集素,抗Lea寒冷凝集素というように呼んで良いのでしょうか.冷式抗体との名称区別はいかに考えるべきでしょうか.

病理 パラフィン切片におけるHBs抗原の証明

T生 , 鵜沢 輝子

pp.1150-1151

 〔問〕パラフィン切片におけるHBs抗原の証明で,志方俊夫先生の文献を参考にしておりますが,アルデヒドフクシン法は分別がたいへん良いのですが,オルセイン法は分別が良くありません.ご教授願います.

臨床生理 誘発筋電図のF波とH波

E生 , 渡辺 誠介

pp.1151-1152

 〔問〕誘発筋電図でいうF波とH波はどのように違うのでしょうか.

臨床生理 血清電解質の変化と心電図

T生 , 石見 善一

pp.1152-1154

 〔問〕血清電解質の変化が心電図の変化として現れることが教科書には必ず書いてありますが,具体的にはどの程度の相関があるのでしょうか,例えば電解質の数量値と波形変化の程度について教えてください.

一般検査 尿中ウロビリノゲン微量定量法

Y生 , 大場 操児

pp.1154-1156

 〔問〕尿中ウロビリノゲンの微量定量法を教えてください.また,ウロビリノゲンO2→ウロビリン体の変化で,このO2消費量について色素発色を測定する方法はないものでしょうか.更に,電極を用いた測定法はないものでしょうか.

一般検査 精液検査について

K生 , 鈴木 秋悦

pp.1156-1157

 〔問〕精液検査は男性不妊の検査項目中で主軸をなすものであると言われていますが,金原出版の「臨床検査法提要」などにも専門書にゆずると書いてあるのみで,検査には何ら具体的に触れていません.①精子濃度,②運動率,③奇形混在率,④精子量など,検査項目と手技,その参考値などお教えください.

検査機器 EPRシステムとは

O生 , 長尾 透

pp.1157-1158

 〔問〕最近ME機器使用上の安全が問題になっておりますが,EPRシステムとはどのようなことを言うのでしょうか.具体的に説明してください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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今月の特集2 どうする?精度管理

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60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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