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技術解説
耐熱性アルカリホスファターゼ
著者: 中山年正1
所属機関: 1虎の門病院生化学科
ページ範囲:P.248 - P.254
文献購入ページに移動本技術解説で問題とするのは,胎盤ALPとそのvariantと考えられる耐熱性を有する酵素群である.胎盤性ALPの著しい熱安定性は特異なもので,co-factorのMg2+の存在下では,65〜70℃30分間程度の熱処理でほとんど失活されず,構造の変化も起こらない9).そこで,一般に65℃5〜10分間10〜14)の高熱処理が使われており,これにより他のALP群を完全に失活除去して胎盤ALPとそのvariantを特異的に分別できる(表1).ただし,熱試験にはこのほか56℃5〜15分間の比較的低温の加熱法があり,残存するALPを同様に耐熱性ALP(heat-stable ALP)と言うことがあるから注意が必要である.この方法は骨性ALPの鑑別に用いるもので,肝性ALPとの鑑別が電気泳動上困難な場合,ほかに有効な手段がないため現在でも広く使われている7).
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