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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻3号

1978年03月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・15

LDH H subunit variantとの出会い

著者: 嵯峨実枝子1

所属機関: 1慶応義塾大学病院中検臨床化学

ページ範囲:P.289 - P.293

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はじめに
 1971年10月我々の検査室でLDHアイソザイムを日常検査に取り入れて以来7万余の検体について検査を行い,出現したLDHアノマリーは100を越し,その出現頻度は約0.1%である.電気泳動によって見いだされるLDH異常は泳動後染色されたザイモグラムを観察することにより容易に見いだされる.そのLDH異常がその試料特有のものなのか,あるいは技術上のものなのかを判別する必要がある.そして見いだされたLDH異常の原因についてどのように検索してゆくかが問題となる.その中の多くは既に報告されているものと類似しており,また原因の分かっていないものや,まったく新しいものもあるだろう.
 1971年北村らの見いだしたLDH H subunit欠損及び1972年長嶺のLDHアノマリーの報告は,その後我々がLDH異常を検索してゆくうえで身近な例として大きな指針となった.ここで述べるLDH H subunit variantも日常検査のなかで他のLDHアノマリーと同じように偶然現れたものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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