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研究
マイクロタイターを応用した迅速感受性テスト第1報—基礎的検討について
著者: 狩山英之1
所属機関: 1大阪府立身体障害者福祉センター附属病院検査室
ページ範囲:P.310 - P.314
文献購入ページに移動緒言
分離菌の化学療法剤に対する感受性テストは感染症の患者への投薬の指針となる重要な検査である.ところが,日常行っている感受性テストの成績が十分に活用されるには,その迅速性,正確性,精密性において必ずしも充足されていないと思われる.結核菌の場合は薬剤耐性検査法の一つに血清検査もしくはウイルス検査領域において頻用のマイクロタイター1,2)(以下MTと略す)を利用した方法3)が考案されている.これと同様の方法が一般細菌にも応用できれば,迅速化は別にしても,省力化とともに精度の向上も図れそうである.しかし,そのままの応用では難問も多い4,5).検討の目的は有効薬剤のMICが治療に役立つ時間内で報告されることである.しかし,多種ある常用薬剤の感性,耐性の定性検査がその前段階として必要であるのでMTの感受性テストへの応用においても定性,定量の2法について検討した.もっとも,MIC測定への応用はMarymountら6)によって1夜培養法の検討がなされ,器具ではオートタイター7)などの自動測定器も市販されている.今回は小検査室でも実施できる用手法について標準菌株数種類を用いて,その基礎的検討を行った結果,MT法の有用性を認めたので報告する.
分離菌の化学療法剤に対する感受性テストは感染症の患者への投薬の指針となる重要な検査である.ところが,日常行っている感受性テストの成績が十分に活用されるには,その迅速性,正確性,精密性において必ずしも充足されていないと思われる.結核菌の場合は薬剤耐性検査法の一つに血清検査もしくはウイルス検査領域において頻用のマイクロタイター1,2)(以下MTと略す)を利用した方法3)が考案されている.これと同様の方法が一般細菌にも応用できれば,迅速化は別にしても,省力化とともに精度の向上も図れそうである.しかし,そのままの応用では難問も多い4,5).検討の目的は有効薬剤のMICが治療に役立つ時間内で報告されることである.しかし,多種ある常用薬剤の感性,耐性の定性検査がその前段階として必要であるのでMTの感受性テストへの応用においても定性,定量の2法について検討した.もっとも,MIC測定への応用はMarymountら6)によって1夜培養法の検討がなされ,器具ではオートタイター7)などの自動測定器も市販されている.今回は小検査室でも実施できる用手法について標準菌株数種類を用いて,その基礎的検討を行った結果,MT法の有用性を認めたので報告する.
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