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電極法によるNa+,K+,Cl−の測定とその評価
著者: 高原喜八郎1
所属機関: 1神奈川県立衛生短大
ページ範囲:P.821 - P.829
文献購入ページに移動 電極法という言葉はことさら真新しいものではなく,例えばガラス電極による水素イオン濃度の測定などのように,古くから実験室で親しまれてきた言葉である.
溶液中の水素イオン濃度(正確には活量a)に感応して,溶液中に浸された電極先端のガラス薄膜の内面と外面に電位差(起電力)が発生し,この起電力(mV)を他の比較電極の発生する基準電位(飽和KClカロメル電極では25℃で0.241V)に対して正確に測定し,mVまたはpH値目盛りで読み取るのがガラス電極pHメーターであった.ここで,理想的なガラス電極のpH 1単位当たりの起電力は25℃で59mVと言われている.したがって,測定系にもし±約6mVのエラーを許す場合はpH値として±0.1の誤差となり,実用上無視できない大きさとなる.このようなエラーの発生は,ガラス薄膜部の電気抵抗値の大きさ,または起電力が増幅器に入る初段真空管の入力グリッドの暗電流の大きさに支配されている(トランジスター回路についても同様である).すなわち,オームの法則より,
溶液中の水素イオン濃度(正確には活量a)に感応して,溶液中に浸された電極先端のガラス薄膜の内面と外面に電位差(起電力)が発生し,この起電力(mV)を他の比較電極の発生する基準電位(飽和KClカロメル電極では25℃で0.241V)に対して正確に測定し,mVまたはpH値目盛りで読み取るのがガラス電極pHメーターであった.ここで,理想的なガラス電極のpH 1単位当たりの起電力は25℃で59mVと言われている.したがって,測定系にもし±約6mVのエラーを許す場合はpH値として±0.1の誤差となり,実用上無視できない大きさとなる.このようなエラーの発生は,ガラス薄膜部の電気抵抗値の大きさ,または起電力が増幅器に入る初段真空管の入力グリッドの暗電流の大きさに支配されている(トランジスター回路についても同様である).すなわち,オームの法則より,
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