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文献詳細

雑誌文献

臨床検査22巻9号

1978年09月発行

文献概要

技術解説

血小板寿命検査

著者: 塚田理康1 斉藤京子2

所属機関: 1虎の門病院血液学科 2虎の門病院中央放射線部RI室

ページ範囲:P.944 - P.950

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 血小板も他の血液細胞と同様に,絶えず新生と破壊が繰り返されながら一定数を維持している.この動的平衡がくずれ破壊量が産生量を上回ると血小板数は減少し,産生量が破壊量をしのぐようになると血小板数は増加を示すことになる.赤血球の産生量が59Fe法,赤血球寿命が51Cr法により測定されると同様に,血小板の産生量,破壊量も一般にはアイソトープを用いて測定されている.
 血小板産生量を直接測るものとしては,75Se-selenomethionine,35S-sulfate,35S-methionine,32P-sodium phosphateを静注して骨髄巨核球の細胞質を標識し,その細胞質から血小板が分離される際に血小板内に残った放射活性を,末梢血血小板を集めて測定する方法がある.この方法は血小板以外の血球,血漿タンパクも標識してしまうため,血小板寿命の著しく短い例,著しい巨核球低形成例では正確な値を得ることが難しい.また巨核球を標識する時間が血小板の平均寿命に比べて長いことなどの理由で,臨床検査としては用いられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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