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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査23巻11号

1979年11月発行

雑誌目次

特集 免疫学的検査の進歩

Ⅰ.免疫不全

組織学的検査—T及びB細胞機能不全による免疫不全症とリンパ組織の変化

畠山 茂

pp.1098-1100

 免疫に関与する臓器は,リンパ節,脾,扁桃腺,消化管壁のリンパ組織など全身に散在するリンパ組織と,胸腺やファブリキウス嚢(FB)などの特別な組織から成っている.後者を一次ないし中枢リンパ臓器などと呼び,前者を二次ないし末梢リンパ臓器と呼んでいる.これらの名称は,一次リンパ臓器が,二次のそれらが作られる前に既に胎生期に活動を開始し,卵黄嚢(yolk sack)から遊走してくる未熟なリンパ球のために分化発育する環境を提供し,他方二次リンパ臓器は胸腺やFBで育ち分化したリンパ球を受容し,免疫応答のための場所を準備するといった,免疫組織の個体発生の状況に基づいている.

 現在,リンパ球は機能的にTとB細胞に分けられ,免疫反応はTとBの二重システムを軸として動いている.中枢リンパ臓器もT細胞には胸腺,B細胞にはFBが対応しており,それらの臓器を出産後に取り除くことによって,後で動物にそれぞれのリンパ球の機能欠落症状をもたらすことができる.FBはもともと鳥類で発見されたもので哺乳類では全くの相同の器官は存在しない.マウスなどでは胎生期には肝が,生後は骨髄組織そのものがFBに相当すると推測されている.

Ⅰ.免疫不全 リンパ球検査

1.分離法

中川 俊郎

pp.1101-1105

 生体内で免疫反応が正常に遂行されるためには種々の因子が必要であるが,リンパ球や単球などの細胞成分は特に重要な因子である.これらの細胞成分(免疫担当細胞)が量的に欠損していたり,質的に欠陥があったりすると,免疫反応は障害される.

 したがってリンパ球検査には量的な状態を調べる検査と,機能を調べる検査とがあり,目的に応じて材料としてのリンパ球の採取法は異なる.すなわち,リンパ球サブポピュレーションあるいはサブセットの構成比率を調べる場合には,試料中へのリンパ球以外の細胞の混入を防ぐことはもちろんのこと,特定のリンパ球サブポピュレーションないしサブセットを失うものであってはならない.一方,特定の細胞群のみを選択的に集め,それらのリンパ球の機能を調べるには,どの程度純粋に単一の細胞群のみを集められたかが問題となる.

2.表面マーカー

渡辺 信雄

pp.1106-1109

 リンパ球は均一の集団ではなく,機能を異にするT,B細胞の2大集団より成り,更に各大集団も機能的細分化を遂げた小集団によって構成され,これらの相互作用により免疫応答が遂行,調節されていることが明らかにされつつある1).このような細胞集団には機能的分化に従って,それぞれに特徴的な細胞形質(細胞マーカー)が発現され,細胞マーカーのあるものは,その細胞の機能と密接な関係を有することが明らかにされつつある2).したがって,これらのマーカーを検出することにより,機能の異なる細胞集団を質的・量的に測定することは,免疫機能を解析するうえで大きな手掛かりを与えてくれるものである.

 細胞マーカーの検出は,多くの場合リンパ球膜表面に表現されている表面マーカーが用いられ,現在用いられている主なマーカーの種類,方法及びヒト血液細胞における分布を表1に示した.紙面の制限があり,方法のより詳細は文献を参照されたい3〜5)

3.培養試験—1)芽球化反応

河野 均也 , 土屋 達行

pp.1110-1114

 リンパ球に種々な特異的,あるいは非特異的芽球化惹起因子を加えて培養することにより起こるリンパ球の芽球化現象1)は,免疫機構に主役を果たしているリンパ球の機能を検索する方法として広く実施されている.またその応用は,リンパ球のサブポピュレーションの検討2)をはじめ,疾病の病因論的考察3)及び予後の判定,あるいは臓器移植における組織適合性試験4)の一つとしてなど,極めて広範な応用がなされている.

 本項では芽球化惹起物質及びPHAを用いた芽球化試験の手技について簡単に解説するが,本試験には芽球化した細胞を形態学的に観察する方法や,DNA,RNAの前駆物質に放射性物質を標識したものを加えて培養し,芽球化細胞への摂取率をみることで判定する方法など多くの改良法が考案されており,実施に際してはそれぞれの施設に適した方法を選択すべきである.

3.培養試験—2)リンフォカイン—特にマクロファージ遊走阻止因子(MIF)と白血球遊走阻止因子(LIF)の測定法

中川 潤 , 杉山 知行 , 井村 裕夫

pp.1114-1119

 Dumondら1)によって命名されたリンフォカイン(LK)は特異的な抗原刺激,すなわち特定の抗原に感作された個体より取り出されたリンパ球が,同じ抗原との再接触によって活性化され産生する可溶性の生物学的活性物質の総称である.LKは抗体ではない.通常の免疫グロブリンとは種々の物理化学的性質を異にする.例えば40%飽和硫安で沈殿することはない.すなわち一般に低分子量である.また抗体と違う大きな特徴は免疫学的特異性を欠いていることである.すなわち感作リンパ球が抗原と特異的に反応してLKを産生するが,いったん産生されたLKはその生物学的活性を発揮するのにもはや抗原を必要としないのである.

 なおLKは今日ではPHA, Con Aなどのマイトジェン,抗原抗体複合物,移植抗原などの刺激による非特異的なリンパ球の活性化反応によっても産生されることが明らかになっている.

3.培養試験—3)細胞傷害試験

金田 一孝

pp.1119-1123

 リンパ球による細胞傷害活性は細胞性免疫の一つの重要なパラメーターであり,疾患でみると癌免疫,移植拒絶反応,自己免疫疾患などと深くかかわり合っていると言える.したがってリンパ球のこの機能を測定することは病態の解明,治療などからいっても有意義な検査法であると考えられる.細胞傷害活性の測定法には皮膚移植拒絶反応などのin vivoの方法もあるがヒトでは不可能であり,一般にはin vivoでその活性を測定する方法がとられている.

 細胞傷害活性を持つリンパ球にはキラーT細胞,An-tibody-dependent cell-mediated cytolysis (ADCC)のエフェクター細胞であるK細胞,Natural killer (NK)細胞が知られている.またマクロファージにも腫瘍細胞などに対する細胞傷害活性が存在し,リンパ球と同様に感染防御,抗腫瘍作用のエフェクター細胞として働いている.しかし各々のキラー細胞がその機能を発現するメカニズムは異なっている(図).

4.皮膚反応

北郷 修

pp.1123-1127

 免疫不全の検査法は免疫学の進歩によって高度な複雑なin vitroの方法が開発され,実際に応用されているが,これらのin vitroの方法は高度の専門的知識技術,設備を必要とし,すぐに実行できない場合が多い.これに反してin vivoの検査法である皮膚反応は簡単で,大した専門的知識,技術,設備を必要とせず,どんなに多忙な施設でもすぐ実行可能で,しかも確実な方法である.T細胞の機能の一つを検査するための皮膚反応として,一次遅延型皮膚反応と二次遅延型皮膚反応があるが,乳児にも応用できる方法としてDNCB感作試験(DNCB test)があり,この方法が免疫不全のin vivo試験として最も重要であり,広く普及してきているので,DNCB感作試験を重点的に解説し,他の検査法についても若干触れる.

Ⅰ.免疫不全 免疫グロブリン

1.グロブリンの定量

櫻林 郁之介 , 榎本 博光

pp.1128-1132

 今日では血漿蛋白の分析は,病態解析のうえで重要な臨床検査となっている.セルロースアセテート膜などの支持体電気泳動法で,血漿蛋白の質的異常を発見すると同時に,量的異常を発見することも重要である.なかでも免疫グロブリンの定量はヒトの免疫機能を知るうえで,今日では重要な日常検査として広く普及している.

 免疫グロブリンの定量法は表1のごとく大別される.このうちゲル内沈降反応では,一元放射免疫拡散法(SRID法)が最も簡便な方法として広く普及し,標識法は微量成分の定量に適し,IgEなどの定量法がある.また溶液内沈降反応には,抗原抗体沈降物の光散乱強度による比ろう法(ネフェロメトリー)があり,測定に利用する光束の違いによりレーザー比ろう法と螢光比ろう法がある.いずれの方法も自動化が可能なもので,免疫グロブリンの自動化測定法として注目されている.以下,これらの方法について概説する.

2.アロタイプ

松本 秀雄

pp.1132-1136

 免疫システムは細菌,ウイルスその他の微生物の感染,あるいは有害細胞の発展の危険に対して,一定の動物種以上において進化した防御的な機構であり,免疫反応は"非自己"を認識し,これを排除することによって,自己の恒常性を保とうとする生物学的な働きであると言える.

 この免疫反応の主役を担うものが抗体,すなわち免疫グロブリンである.免疫グロブリンは大きくは五つのクラスに分けられるが,そのクラスを問わず,免疫グロブリン分子は2種類のポリペプチド鎖,H鎖とL鎖によって構成される基本構造を持つ.それは更に一次構造に反映される特異性に基づいて,V部(可変部)とC部(定常部)に分けられる.V部はL鎖とH鎖のN末端110個のアミノ酸残基より成る部で,高い頻度でアミノ酸配列が変異し,このV部が免疫グロブリンの持つ多様な抗体特異性を左右する部である.

Ⅰ.免疫不全 補体

補体

稲井 真弥 , 安田 玲子

pp.1137-1144

 補体は動物の新鮮な血清中に含まれる20種類以上の蛋白質,すなわち,①補体成分(C1からC9までの9成分のうちC1はC1q,C1r,C1sの三つのsub-componentから成るので蛋白質としては11種類である),②alternative pathwayの因子群,及び③補体系の活性化を制御し,また補体の生物活性を抑制する種々の不活化因子(inactivator)からなる.

 補体はclassical pathway (CP)とalternative path-way (AP)の二つの経路によつて活性化され,種々の生物活性を表すようになる.CPは主として抗原抗体複合物によって補体が活性化されるときの経路で,各成分はC1,C4,C2,C3,C5〜C9の順序で反応する.APはザイモザン,イヌリンなどが補体を活性化する経路で,B,D,プロパージン,C3及びC3bがβ1Hグロブリン及びC3b inactivatorのコントロールを受けて活性化する物質上にC 3bBbを形成し,C3,C5更にC6〜C9までを活性化する.

Ⅰ.免疫不全 好中球

1.走化能

辻 芳郎 , 野田 弘之

pp.1145-1147

 生体における細菌感染防御機構の中心となるのは好中球である.好中球は骨髄で産生され血流に入り循環し,血管壁に付着しその間隙から組織中に出て,炎症があればその部に移動する.細菌を貪食し殺菌し消化することでその目的を果たしている.このような過程のいずれかに障害があると細菌感染に罹りやすくなる.その過程の一つである走化能検査について述べる.

 好中球の走化能をみる場合には好中球自身の走化性と,血清成分中の走化性に関係ある因子とについて検査しなければならない.好中球の運動には,走化性因子(chemotactic factor)の濃度勾配に逆らって方向性をもって移動する走化能(chemotaxis)と,均等な濃度の走化性因子の中で運動するchemokinesisと,走化性因子に無関係に方向性を持たない運動をする随意運動(random migration)とが知られている.

2.貪食能

木谷 信行

pp.1148-1150

 好中球が異物に接着しこれを細胞内に取り込む過程には,①異物に作用して好中球に取り込まれやすくする血清因子(オプソニン)の働き,②異物と接着する好中球の細胞膜の性状,③食胞を形成するための細胞内小器官(microtubulus, microfilament)の働きなどが関係している1)(図1).

 好中球の異物取り込み能(貪食能)を測定するための試験管内検査法には,表に示す種々のものが考案されているが,それぞれ一長一短を有している.ここでは一般検査室で容易に実施できるものとして,以下の検査法について述べる.

3.殺菌能

木谷 信行

pp.1150-1152

 好中球が細胞内に取り込んだ細菌を殺菌することは既に古くから知られていた現象であり,生体の感染防御に重要な役割を果たしている.

 先天的に好中球の殺菌能が障害されている疾患として慢性肉芽腫症が見いだされて以来,ここ十年余の間に好中球殺菌能の機序,殊にその生化学的メカニズムに関する多くの知見が集積されてきた.これに伴い,好中球殺菌能を種々の生化学的パラメーター(例えばO2やH2O2の産生,化学発光など)を指標として測定する方法が報告されている.

4.代謝反応

小林 陽之助 , 松浦 良二

pp.1152-1155

 好中球が異物を貪食するとシアン不応性の酸素消費が上昇し,スーパーオキサイド(O2),過酸化水素など細胞内酸化的殺菌機構に必要な活性酸素が産生される.慢性肉芽腫症(CGD),白血球グルコース−6—リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠損症では,異物貪食に伴う酸素消費が著減し,また主にO2によるとされるニトロブルーテトラゾリウム(NBT)色素還元能が障害されているので,これらの診断,保因者の発見に有用である.以下これら2項目の測定法について述べる.

5.微細形態及び細胞化学

赤羽 太郎 , 小宮山 淳

pp.1155-1159

 好中球は細菌感染防御に主要な役割を果たしており,その量的減少や機能異常が化膿性感染症の反復,重症遷延化の要因になることはよく知られている.

 近年,好中球の機能と関連してその形態や細胞化学が注目され,特に好中球の微細構造を追求するうえから,電顕的検索がますます重要なものとなってきている1).本稿では好中球の微細構造と電顕細胞化学につき概説し,更に好中球機能異常を示す幾つかの疾患について,これら電顕的検索の有用性を紹介してみたい.

Ⅱ.感染症

感染症の血清学的診断

水岡 慶二

pp.1162-1163

 近年,数多くの化学療法剤が普及し,抗生物質に感受性のある細菌性の疾患やその他の病原体による疾病などに大きな変貌が起こってきた.更に,免疫抑制剤の使用増加も感染症の様相を変貌させるのに拍車をかけた.例えば,かつて梅毒の血清学的診断法と言えばいわゆるWassermann反応という名前で代表され,臨床検査室における血清反応の大きな部分を占めていた.しかし梅毒なる疾病が激減し新しい感染がごくまれになってしまった今日,梅毒血清反応の臨床検査における重要性は昔ほど大きなものではなくなった.同じことは,腸チフスのWidal反応にも言える.

 一方,肝炎ウイルスによる肝炎やイヌやネコなどのペットから感染するトキソプラズマ症などの血清学的診断は,新しい問題としてクローズアップされねばならない.また,妊娠初期に母体が感染すると種々の先天性奇形児が生まれる危険性が高いという意味で,風疹の血清学的診断も注目を浴びている.

梅毒

水岡 慶二

pp.1164-1165

 最近梅毒そのものが減少し,血清検査の分野における梅毒血清反応の占める割合が小さくなったとは言え,なお依然として梅毒血清反応は重要な検査項目であることには変わりがない.現に広く行われているいわゆる人間ドック式の検査には,必ず組み入れられている検査項目である.

 かつてはカルジオライピン—レシチン抗原による反応(STS)だけを頼りに梅毒を診断し治療を行っていたわけであるが,TPHAテストやFTA-ABSテストが実用化されてからは,STSの生物学的偽陽性(BFP)反応が大きくクローズアップされ,梅毒を診断するにはSTSとトレポネーマ抗原の反応とが車の両輪のごとく並行して実施されなければ,正しい診断が行えないということが分かってきた.FTA-ABSが日本で実用化され,TPHAも相前後して日常検査に取り入れられてから既に10年以上の年月がたった.当初これらトレポネーマ抗原による反応の意義を理解する当たって多少の混乱がみられたが,現在ではその解釈もいきわたり大きな混乱はみられなくなったようである.

トキソプラズマ感染症

亀井 喜世子

pp.1166-1168

 トキソプラズマ症の診断は臨床所見,病理,原虫検出,血清試験の諸結果の総合診断によってなされる.血清試験として現在日本で行われているのは色素試験(Dye test),間接赤血球凝集試験(IHA),ラテックス凝集試験,螢光抗体法などであるが,検査結果について共通して言えることは,トキソプラズマによる不顕性感染者が多いために,陰性者は潜伏期のものを除いてトキソプラズマ感染を除外しうるとしても,陽性者が不顕性感染者ではなく患者であるとの有力な根拠となるのは,①8倍以上の抗体価の上昇の見られるとき(この場合は2種以上の血清反応を行うことが望ましい),②感染初期抗体であるIgM抗体が証明されるとき,③生検材料より原虫の証明・分離がされるときである.

 現在日本では種々の検査法が行われており,検査機関が異なると結果が違うというように,抗体価同士を比較するのは不可能で,仮に同一人物の経時的抗体価の変動を知ろうとするときは,なるべく同一検査機関に2〜3週間隔の血清を同時に依頼するのが望ましい.なお感染初期抗体のIgM抗体は螢光抗体法あるいは,1978年著者らが開発した黄色ブドウ球菌菌体で,血清中のIgG抗体を吸着した後の残存抗体をラテックス凝集試験で調べることにより証明できる.

レプトスピラ感染症

有光 佳子

pp.1169-1171

 レプトスピラ(Leptospira)症の病原体には数多くの種類がある.1951年に稲田・井戸によってワイル病病原体が発見されて以来,世界各地でレプトスピラの発見が相次ぎ,それらは凝集反応上の抗原性の差異によって多くの血清型に分類されてきた.そのうち,病原性のあるもの(Leptospira interrogansと総称)を,WHO Expert Group (1967)1)は18血清群,124血清型に分類した.その後も新しい型の追加提案があって,現在では160血清型を越える.我が国では,icterohaemorrhagiae及びcopenhageni (ワイル病L),autumnalis (秋疫A症L),hebdomadis (秋疫B症L),australis (秋疫C症L),canicola, pyrogenes, javanica, grippotyphosaと,極めてまれなrachmati, pomonaなどの血清型の存在が知られている.

溶レン菌感染症

長田 富香

pp.1172-1175

 溶レン菌感染症と言われる疾患の中には,一次症として扁桃炎,咽頭炎,喉頭炎,肺炎,髄膜炎,敗血症,心内膜炎,腹膜炎,骨髄炎,膿痂疹などの化膿性炎症性疾患,あるいは溶レン菌の菌体外毒素による病像を示す丹毒,猩紅熱など多彩な疾病が挙げられるが,特に重要なことはこれらの感染から1〜4週の潜伏期を経て二次続発症としてリウマチ熱,急性糸球体腎炎,リウマチ性心疾患などの予後に重大な影響を与える疾病の発生を予測しなければならないことである.

 一次症の診断に当たっては溶レン菌の分離同定が有力な手段となるが,二次症の発症時には既に溶レン菌は咽頭などに存在しないことが多く,したがって数種類の溶レン菌抗体の測定を併用して,経時的に抗体価の上昇を観察し,免疫血清学的にリウマチ熱,急性糸球体腎炎などの診断が行われなければならない.

肝炎の血清学的診断

小島 健一 , 吉川 明

pp.1176-1179

 肝炎の病因としては,肝炎ウイルス,薬剤,アルコール,既知ウイルスなどが挙げられる.肝炎ウイルスにはA型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルスのほか,近年未知のウイルスとして非A・非B型肝炎ウイルスがクローズアップされている.ウイルス性肝炎は最も頻度が高く,各種抗原・抗体の存在が知られ,血清学的診断が可能となり,肝炎の病因分類に役立っている.

皮内反応

水岡 慶二

pp.1180-1182

 感染症の皮内反応は,病原体に由来する抗原物質の少量を皮内に注射しその局所の反応から,生体が当該病原体もしくは毒素に対して免疫あるいはアレルギーの状態にあるか否かを検査するものである.

 感染症の診断に役立つ皮内反応を取りまとめてみると表1のようになるが,ここでは紙面の都合で,遅延型(Ⅳ型)アレルギー反応に属するツベルクリン反応,レプロミン反応,真菌の皮内反応を取り上げることにした.これは現在でも比較的頻用されている反応である.

Ⅲ.自己免疫疾患・アレルギー

リウマチ因子

鈴田 達男

pp.1184-1187

 慢性関節リウマチ(以下RAと略す)患者の血清中に出現するリウマチ因子は,自己または他種のIgGに対する自己抗体と考えられ,免疫グロブリンクラスではIgMが主体となっているが,IgA,IgGに属するものも存在する1).流血中では図に示すようにIgGと結合して可溶性の複合体を形成していると想像される2).リウマチ因子は,RAの病因を規定する本質的な因子か,または病変の産物であるかについては賛否両論がありまだよく分かっていない.

 リウマチ因子の検出法には多くの方法があるが,その原理は本質的にリウマチ因子が自己または他種のIgGと結合する性質に基づいている点で同一である.反応形式は幾つもあるが,表1に示すように凝集反応の形をとらせるものが多い.これは図に示すようにリウマチ因子の核と結合したIgGの一部が,感作粒子表面IgGの分子と置き代わることにより凝集を示す原理に基づく.IgGを血球,菌体,不活性粒子に結合させるやり方によって,抗原抗体反応を利用したimmune sensitized systemと,受身に感作する方法non-immune sensiti-zed systemとに区別することができる3)

核物質

大藤 真 , 宮脇 昌二

pp.1188-1191

 細胞内の各種の核物質を抗原とする抗体は抗核抗体(antinuclear antibody;ANA)と総称され,自己抗体の代表的なものである.核物質には多くの成分が存在するが,ANAは単一の核物質を抗原とする場合と,複合成分を抗原とする場合とがあり,また今なお抗原が未同定のANAも多数存在する.

 ANAの検出方法には,寒天内沈降反応,補体結合反応,受身血球凝集反応(PHA),螢光抗体間接法(FAT),ラジオイムノアッセイ(RIA)などが利用されており,FATのように多種のANAを総合的に把握する手技と,PHAやRIAのように単一のANAの検出に適した方法とに分けることができる.ANAの種類は多種多様であるため,その検出に当たってはまず総合的に把握し,次いで個々のANAの識別が試みられるべきである.

甲状腺

越智 幸男 , 梶田 芳弘 , 宮崎 忠芳 , 吉村 学 , 八谷 孝

pp.1192-1196

 甲状腺の代表的な自己免疫疾患の慢性甲状腺炎(橋本病)においては,抗甲状腺抗体がその病因に関与していることは周知の事実である.一方バセドウ病も血中に甲状腺刺激免疫グロブリンが存在するので,自己免疫疾患の観点から注目されている.前者は最終的に機能低下,後者は機能亢進症状を呈するが,その病態には体液性及び細胞性免疫が複雑に関与していると推定される.

 橋本病の断診にはRoitt (1956)やWitebsky (1957)による抗サイログロブリン(TG)抗体の発見以後,沈降反応や赤血球凝集反応がこの抗体の証明に繁用されている.一方ミクロソーム(MC)に対する抗体も赤血球凝集反応や補体結合反応によって測定されている.その他螢光抗体法を用いる免疫学的検査法も試みられている.

胃壁

福田 守道 , 中沢 修

pp.1197-1200

 いわゆる慢性胃炎の発症に免疫異常が関与しているか否かはなお明らかでない.しかしながら以下に述べるようにある種の胃炎,すなわち胃粘膜萎縮を伴う顕症あるいは潜在性の悪性貧血や,慢性胃炎の進行例に自己抗体として胃の壁細胞抗体や内因子抗体が証明されることが知られている.

 また悪性貧血においては内因子の産生が減少,消失し,内因子—B12複合体の形成が低下するため,回腸の受容体を介しての腸管B12吸収が高度に障害されB12欠乏,そして巨赤芽球性貧血の発症をみると理解されているが,Jeffries, Chanarin, Goldberg,福田らにより指摘されたように,本症では血清中に2種類の内因子抗体が証明されるばかりでなく,胃液中にもこのような抗体が出現し,B12の腸管吸収を強く阻害すると考えられている.更に本抗体は後述するように悪性貧血症例の血清中に高率に出現し,診断的意義も高いとされている.以下主としてその手技とその進歩につき触れてみたい.

胸腺細胞

守田 浩一

pp.1201-1204

 自己免疫性疾患の発症機転について,近年,いろいろな機能を持った細胞集団及びそれらの前駆細胞などの細胞レベルで検討がなされている.特に機能を持った細胞集団の中でも,抗体産生細胞に移行するB細胞,この抗体産生を援助するヘルパーT細胞(Th)及び抗体産生やリンパ球混合培養反応を抑制するサプレッサーT細胞(Ts)の動態については詳細に検討されている.

 これらの研究について,ヒト自己免疫性溶血性貧血と同じような病態を呈してくるモデル動物,ニュージーランドブラック(NZB)マウスや,ヒトの全身性エリテマトーデス(SLE)のモデル動物である,NZBマウスとニュージランドホワイト(NZW)マウスの一代雑種(B/WF1)マウスの果たしてきた役割は,はかりしれないものがある.

赤血球

阿部 帥

pp.1205-1208

 後天性溶血性貧血が,患者赤血球に自己抗体が結合して発症することは1946年にBoormanらによって明らかにされた.この自己抗体は生食水中で赤血球を凝集させる能力がなく,非定型抗体または不完全抗体と呼ばれている.その検出法は一般にCoombs試験と言われ,本疾患の診断はもちろん,原理は広く自己免疫疾患及びアレルギー疾患の診断ないし研究に重要な位置を占めている.今日Coombs試験は広域スペクトルの抗グロブリン血清のみならず,各種免疫グロブリンや補体成分に対する抗血清も用いるので,抗グロブリン試験と呼ぶほうがよいとされている.

 ここでは,抗グロブリン試験1〜3)を中心に赤血球の免疫学的検査法について述べたい.

血小板

安永 幸二郎

pp.1209-1213

 特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocy-topenic purpura, ITP)は,血小板減少を来す原疾患や遺伝的要因が認められず,赤血球系,白血球には本質的な異常がなく,骨髄における低形成を認めないことを特徴とする出血性疾患である.本症は急性型と慢性的に分けられる.急性ITPが小児に多くみられ,数週間ないし2,3か月で完治するのに対し,慢性ITPは数年の経過をとり,成人,特に女性に多くみられる.本症の成因についてはなお十分に明らかでないが,主要な機序として血小板の自己免疫が関与するという見解は多くの人によって支持されている.

 免疫反応には細胞性免疫〔cellular (cell-mediated)immunity〕と,体液性免疫(humoral immunity)の二つの機構がある.細胞性免疫の主役は胸腺由来のT細胞であって,抗原刺激によって活性化されると幼若化して大型の強塩基性芽球細胞,いわゆる免疫芽球(immu-noblast)となり,更に細胞傷害性T細胞球やTメモリー細胞に分化し,仲介物質のリンフォカイン(lympho-kine)を産生する.体液性免疫は骨髄由来のB細胞が担当し,抗原刺激を受けると同様に免疫芽球となり,更に抗体産生細胞(形質細胞)となって免疫グロブリンを産生するが,抗原によってはT細胞との共同作用でこれを行うことがある(図).

顆粒球

長谷川 恒彦

pp.1214-1218

 顆粒球はリンパ球に比してその性質は非常に異なり,種々の因子に対して不安定であるばかりでなく,貪食作用あるいは粘着性を有し,そのうえヒト末梢血からの分離保存が困難であったため,顆粒球の免疫学的研究への応用が難しかった.

 1973年,著者ら1)は純度の高い顆粒球の分離精製法を確立するとともに,顆粒球を標的細胞として用い,dye exclusion法の利点を取り入れ,いわゆるmicrodroplet granulocyte cytotoxicity検査法を開発し,妊婦血清,頻回輸血を受けた患者血清,及び腎移植を受けた患者血清中に抗顆粒球抗体が存在することを報告した.本稿においてはその検査手技を中心に,顆粒球特異抗体及び抗原の免疫学的意義について述べる.

インスリン

平田 幸正

pp.1219-1221

 現在のところ,インスリンを中心とした結合抗体,アレルギー,インスリンレセプター抗体などが日常検査の対象となる.

 インスリン結合抗体測定の必要となる場合として以下のことが挙げられる.

アレルゲンの検出 1.RAST

宮本 昭正

pp.1222-1226

 RAST (radioallergosorbent test)は最近キットが市販されようとしている.そこで本項では主としてキットによる方法について述べる.しかし市販されているアレルゲン以外のものを用いて検査しようとする場合には,自分で固型物(solid phase,多くはペーパーディスクが用いられる)にアレルゲンを結合させることが必要である.この方法については後で述べる.

アレルゲンの検出 2.皮膚反応

宮本 昭正

pp.1226-1228

 皮膚反応はアレルギー性疾患のアレルゲンの確定に極めて重要な検査の一つである.皮膚反応には掻皮反応,皮内反応,貼布試験などがあるが(表),これらを項目に従って述べる.

ヒスタミンテスト,脱顆粒

木村 郁郎 , 谷崎 勝朗

pp.1229-1232

 薬剤過敏症あるいはアレルギー性疾患患者の末梢血好塩基球や組織肥胖細胞は,当該薬剤や特異抗原に接触した際脱顆粒現象を起こし,同時にヒスタミンを遊離することが知られており,薬剤や特異抗原の検索あるいは治療薬剤としての脱顆粒抑制効果などの検討に応用されている.これらの反応は好塩基球や肥胖細胞の表面に付着したIgE抗体と抗原物質との結合により惹起されると考えられているが,一方近年補体(anaphylatoxin)によっても同様の反応が惹起されることが報告1)されている.本章ではヒスタミン遊離試験及び脱顆粒試験のうち,比較的容易に行いうる代表的な二,三の実験方法について簡潔に述べる.

免疫組織学

川生 明

pp.1233-1236

 免疫組織化学(免疫組織学と同義)的方法は,生理的及び病的な免疫現象を形態学的立場から解明するのに欠かすことのできない手段であり,その応用範囲は多方面にわたるが,本稿では,①組織中の免疫複合体の証明,②自己抗体の検出,③リンパ球サブポピュレーションの同定,のための具体的手技について説明する.

血中可溶性免疫複合体

桜井 徹志 , 河野 一郎 , 椛島 悌蔵 , 山根 一秀 , 柏木 平八郎

pp.1237-1240

 近年,可溶性免疫複合体の半定量法が次々と開発され,1976年以降,膠原病に限らず各種感染症,悪性腫瘍,血液疾患における血中免疫複合体に関する研究が活発に行われるようになってきた.ここでは紙面の都合上,これらの方法のうち最近よく利用される代表的な方法について原理,手技の概略を述べてみたい.

Ⅳ.同種免疫

HLA検査

関口 進 , 高田 肇

pp.1242-1247

 HLA抗原はヒト有核細胞のほとんどに見られるが,血液細胞では白血球,血小板の膜表面に抗原決定基が確かめられ,一般にはリンパ球が抗原決定に用いられている.HLA抗原はヒト染色体第6番目染色体の短腕の一部に存在するMHC (major histocompatibility com-plex;主要組織適合性複合体)またはHLA領域にある遺伝子による産物(gene complex)である.すなわち遺伝子の座によって支配されて作られた膜上の抗原決定基がHLA抗原を意味し,HLA領域は遺伝子上の領域を意味するので,単にHLAといった場合には抗原そのものを意味するのか,遺伝子上の領域を意味するのかを明確にすべきである.

 上述のMHC領域は免疫応答の座と隣接して存在することがマウスのH2系(ヒトのHLA領域に相当)では証明されており,ヒトのHLA領域も同様な意味で種々の免疫反応を制御する座を含むか,ないしは非常に近接してその座が存在するであろうという仮定の下で,現在種々の検討がなされている.

血液型とその臨床的意義

山崎 順啓

pp.1248-1253

 血液型の臨床的意義(重要性)は輸血療法,組織(臓器)移植,母児間同種免疫,更に自己免疫性血液疾患の診断治療などと密接な関連をもって存在している.多くの血液型の中でABO式,Rh式,更にHLA式などは現在最も注目されており,赤血球中心の輸血や免疫性溶血性疾患との関連性が論じられるにとどまらず,近年急速に普及しつつある成分や分画の輸血の際にも,決してその重要性は見逃されるわけにはいかない.例えば濃縮血小板や顆粒球の輸血においても,供血者の赤血球やその他の成分が含まれており,これらは潜在的に免疫性を発揮する.また血漿から分離精製されたいかなる製剤と言えども,抗A,抗Bあるいは抗Dが含まれている可能性があり,これらが受血者の血球を溶血させる恐れは十分考えられるのである.通常臨床的に行われる輸血の場合,ABO式とRh式のDが最も重要であることはもちろんだが,赤血球の持っている他の型(物質)の存在も時には特定の患者にとって重要な意義をもたらす.

血清型

池本 卯典

pp.1254-1259

 ハプトグロビン(Hp)型がSmithies(1955)1)によって発見されて以来,血清蛋白,血清酵素,補体などの遺伝標識は既に20数種見いだされている2).その中で,免疫学的手技により検出される血清型はGm,Inv,Gc,Ag,Ld,Lp,Xm型などであるが,このうちヒト由来の同種免疫抗体を用いて検出されるものはGm,Inv,Ag,Ld型などであり,Gc,Lp,Xm型などは異種免疫抗体により検出される.その他のAl,Hp,Tf,Pi,Cp,ChE,C'3型などはいずれも電気泳動法により蛋白分子の易動度を指標として,その遺伝的多型性を識別している.

 ここでは,まず同種免疫によって産生されたと考えられる抗体を用い,免疫学的手技により検出される血清型について述べ,次いで他の血清型について概説する.

精子免疫

礒島 晋三

pp.1260-1262

 睾丸または精子を雌動物に注射すると,精子に対する毒性物質(抗体)が産生されることは,既に1889年Landsteinerによって発見されていたが,筆者ら1)はモルモット睾丸とFreund's adjuvantを用いることによって,雌モルモットに精子に対する抗体のみでなく不妊が発症することを明らかにした.臨床的には,男性不妊が患者血中精子凝集素と関係があるとWilson及びRümkeは報告したが,婦人に関しては1964年FranklinとDukes2)が,原因不明不妊婦人の血清中に精子凝集素が高率に発見されると報告して以来,不妊と抗精子抗体が注目されるようになった.

筆者ら3)は,ヒト精子は非特異的に凝集しやすく,抗体による凝集と区別がつきにくいので精子凝集反応を避け,補体依存性で抗体を検出するのに適している精子不動化試験を考案し,不妊婦人を調べたところ,原因不明不妊婦人の一部にのみ精子不動化陽性がみられ,未婚婦人や妊孕性のある婦人はすべて陰性であることを見いだして以来,抗精子抗体の証明法として広く用いられようになった.この方法は定性的検査で,抗体量を定量的に測定するには適していないため,正確な抗体量を決めるために定量的精子不動化試験を発表した.また頸管粘液中の抗体(精子不動化因子)を測定するには検体が少量であるため,この目的に対応する微量精子不動化試験法も考案した

Ⅴ.抗原

ホルモンの定量

井上 和子 , 入江 実

pp.1264-1268

 抗原抗体反応は極めて特異的な反応であり,この反応を利用してホルモンを測定する試みは古くからなされてきた.中でも1959年BersonとYalowによって開発されたラジオイムノアッセイ(RIA)に始まるCom-petitive radioassayは種々の優れた点を有しており,特にRIAは最もよく利用されている.一方,1971年にEngvallとCarlssonは放射性物質の代わりに酵素を用いた測定法,エンザイムイムノアッセイ(EIA)を報告した.この方法も多くの長所を有しており現在広く用いられている.

 また他にもバクテリオファージ,螢光物質,特殊な金属化合物などによる標識法も工夫されており,ホルモン測定に免疫学的測定法は欠くことのできない地位を占めている.RIAやEIAに関しては既に多くの解説や総説があるので簡単に紹介する.

血漿蛋白

櫻林 郁之介

pp.1269-1272

 ヒト血漿中には多くの蛋白が存在し,まだ知られていないものも多いがそれぞれに機能を保ちながら,個体の生命維持に重要な役割を演じている.現在ではこれらの蛋白成分は微量なものも含め80〜100種類が知られており,今後の研究の発展とともに更に多くの蛋白成分が見いだされるものと思われる.

 現在知られている主要な血漿蛋白成分は表1(次ページ)に示されるごとくで,その物理化学的性質及び生物学的機能もかなりのところまで解明しているが,まだ不明な点も少なくない.

血液凝固因子

藤巻 道男 , 池松 正次郎

pp.1273-1276

 血液凝固の現象が酵素→基質の関係で生じる一大パノラマであることが解明され始めて以来,その複雑な活性化機序が蛋白質化学,分子酵素学のレベルで検討されるに至った.循環血中にはごくわずかしか含まれない各凝血因子もそれぞれ単離純化され,凝血活性のみで定量されていたものが,新たに免疫学的定量への道が開けたのも最近のことである.その応用範囲はベッドサイドのスクリーニング検査から凝血活性と免疫活性の比較,異常凝血因子の検出まで幅広く用いられんとしている.本稿では各施設で入手可能な試薬,施行可能な方法を中心に,現在行われている凝血因子の免疫学的測定法の主なものについて触れることにする.

薬剤

北川 常廣

pp.1277-1280

 薬剤の血液や尿などの体液中の濃度を検査できれば,その薬の作用機序の解明や薬効の判定に有力な情報を与える.特に常用量と極量の接近した,しかも副作用の強い毒薬や劇薬を治療に使用せざるを得ない場合には,その使用を安全にかつ効果的にするのに,その体液濃度を検査しながら使用することが望ましい.また,法定上使用禁止の薬物,主として麻薬や興奮剤を体液より簡単に検出・同定するのも大事な事項である.

 従来この目的には体液より薬物を抽出し,次いで分離精製してから,機器分析法や生物活性測定法などが用いられてきた.

食肉(特に生肉)

春田 三佐夫

pp.1281-1283

 食肉の肉種鑑別にはグルコース含量,脂肪の特性などを調べる物理・化学的方法があるが,いずれも単独では鑑別の目的を達することができないうらみがある.そのため従来,もっぱら血清学的方法による鑑別試験が行われている.ここで言う血清学的方法とは,あらかじめ作製した種属特異性免疫血清と,検体から抽出した抗原を用いて行う沈降反応であり,種属特異性とは目的とする動物種のみと反応し,他種動物と交差反応を示さないことを言う.しかしこの方法とても決して最終的なものではない.あくまで現時点で一応の評価を受けているものと理解してほしい.特に加熱肉の鑑別は容易でなく,今後関係者のいっそうの努力により,更に精度の高い,良い方法が開発されることを期待しなければならない.ここでは著者の所属する肉種鑑別研究会1)で提案した生肉の鑑別法について述べる.

Ⅵ.機械

ネフェロメーター 1.紫外部ネフェロメーター

山岸 安子

pp.1286-1289

 有色溶液の色の強さを測定して定量分析を行う方法は古くから行われ,臨床化学の進歩に大きな役割を果たした.近年,抗原抗体複合物に光を当て散乱する光の強度を測定し,その抗原あるいは抗体の濃度を知ろうとするネフェロメーターが臨床検査機器として登場し,免疫グロブリンの測定や補体成分,また各種血漿蛋白成分が測定され,臨床的に重要な役割を担ってきている.

ネフェロメーター 2.レーザーネフェロメーター

大竹 皓子

pp.1289-1292

 レーザネフェロメーター(LN)は,光源にHe-Neガスレーザーを利用した新しい光散乱光度計である.日常分析で用いられているLNは,溶液内沈降反応によって生じた沈降物粒子にレーザーを照射し,光散乱強度を測定して抗原物質の濃度を求める装置である.

 光散乱法によって溶存物質の濃度を測定する方法は,古くから分析化学の手段として用いられているが,希薄なサスペンジョンを鋭敏に測定できる利点を有する反面,実験条件を厳しく設定しないと分析精度を保証することが難しい方法でもある.ところが,近年のレーザー光学の発展によって光散乱法の幾つかの難点が解消され,日常検査の中にも免疫グロブリンをはじめ血清蛋白の免疫学的定量法としてLNが導入されてきた.周知のようにレーザーは指向性,単色性,高輝度などにおいて光としての優れた特性を有しており,光度計の光源として活用することは,精度の高い分析を可能にするものである.

セルソーター—FACS(Fluorescence activated cell sorter)

高橋 英則 , 奥村 康

pp.1293-1295

 近年,リンパ球の研究が盛んに行われ研究が進むにつれて,現在ではリンパ球系細胞は単にT細胞,B細胞に分類されるのみならず,その中でも更に小さな細胞群に,その細胞表面の遺伝子表現を利用して細分類される時代が到来した.すなわち現在では細胞膜表面上に表現される種々の遺伝子産物(マーカー)に対する抗体の作製が可能になり,その抗体を利用してそれぞれの細胞群の機能的多様性が明らかにされつつある.

 FACS(Fluorescence activated cell sorter)はこのような研究目的のために,極めて有用な手段を提供しているが,この器械は今から十数年前アメリカ,スタンフォード大学のHerzenberg教授の考案のもとに開発されたもので,多くの工学系科学者を含むプロジェクトチームの長年の努力と米国政府の経済援助により実現した,ある意味では夢のような器械である.

螢光偏光測定器(SCMを含む)

橋本 康男 , 高久 史麿

pp.1296-1298

 螢光偏光法は物質の分子レベルの動的変化を把握する方法として近年注目されており,特に細胞のある特定の構造に結合する螢光物質を用いて,その螢光物質の螢光偏光度を測定し,間接的に細胞構造の変化を理解する点で,生物学の新しい分野に貢献しつつある.例えば細胞質膜の脂質にDPH (Diphenylhexatrielene)という螢光物質を結合させ,細胞質膜の流動性をみたり,DNA鎖にAnthracycline系の薬剤を結合させ,DNA鎖の構造変化を調べることができる.近年このような技術が臨床医学に応用された例として,抗原抗体反応の螢光偏光法による測定及び,我々が現在進めているリンパ球の活性化現象の螢光偏光法による測定などがある.

 まず螢光偏光法の原理について述べ,次いでその測定機器の開発と問題点,次に螢光偏光法によるリンパ球活性化測定法の問題点について述べてみたい.

電子スピン共鳴(ESR)測定器(LSIAを含む)

桃井 宏直

pp.1299-1303

 放射免疫測定法(RIA)はその感度が極めて高いにもかかわらず,放射性廃棄物による汚染が問題となるところから,将来臨床検査の立場から,これに代わる検査法として今日いろいろ新しい試みがなされている.モルヒネの血中濃度の測定に端を発したStanford大学とSynva社の考案したSIA法(spin immunoassay)は1),その感度においてRIA法には及ばなかった.

 しかるにその後,リポソームを用い,その膜表面に脂溶性抗原をまぶし,リポソーム膜内にスピンラベルを封じ込み,そのようにして用意されたリポソーム膜上で補体結合性抗原抗体反応を行わせて膜を破壊し,壊された膜内のスピンラベルの放出に伴うシグナルの線長比から,溶液中の抗体の量を定量する方法が案出された.

ラジオイムノアッセイの自動化

桜井 兵一郎

pp.1304-1306

 近年の内分泌学的診断及び微量生体成分のRIA測定法の長足の進歩に伴い,RIAへの検査依存度及びRIAの自動化の必要度は年々高まり,その自動化技術開発の成果は著しいものがある.

 周知のようにRIAは,①in vitroで免疫化学反応を基本原理に,②放射能測定を検出手段に利用しており,③その過程で,なんらかの手段による反応生成物と未反応物との分離が不可欠な操作として必要である.したがって,RIAの自動化に当たってはこれらの工程を,いかなる方法にせよ装置に組み込まなければならない.生化学検査で多用される分光学的あるいは電気化学的測定法では,RIA法の①及び②に相当する反応時間,測定時間は極めて短時間で済み,③については均一系であるため不要である.

マイクロタイターの自動化

富山 哲雄

pp.1307-1309

 血清反応のマイクロタイター法が開発されて微量化,能率化の道が開けたのと同時に,自動化が可能になった.これは単に能率だけの問題ではなく,精度を高め,定量値の再現性を向上させることにも貢献した.

 マイクロタイター法における自動化,すなわち分注,希釈の自動装置は早くから米国のCook,Canalco両社が開発し,我が国ではCook製品が広く使われてきた.近年,これらの自動装置も各種の改良が加えられ,また急速に国産化が進み,簡便なものからプログラムの組めるものまでバラエティーに富んだ機種がそろってきている.

セル・ハーベスター

笠原 忠

pp.1310-1312

 生体の免疫機能の検索法の一つとしてリンパ球の培養法は広く行われている.すなわち,①種々の免疫学的疾患におけるリンパ球のマイトジェンや抗原に対する反応性の解析,②リンパ球混合培養法によるHLA-Dローカスのタイピング,③リンパ球のヘルパー,サプレッサー機能の検定,などの目的に利用される.リンパ球の反応性は従来放射性チミジンの取り込みによる核酸合成や,放射性アミノ酸の取り込みによる蛋白質合成などの方法によって調べられてきた.この方法は,リンパ球のブラスト化を観察することによって反応性を検定することに比し,はるかに信頼性及び再現性に優れ,大最のサンプルの測定を可能にした.

 最近では更にこの方法は試験管培養法からマイクロテストプレートを用いてマイクロ化され,少量のサンプルで多くのデータを得ることができるようになった1).このようなマイクロ化が可能になった背景には,マイクロプレートの使用に必須であるセル・ハーベスターによって,ハーベスト操作が半自動化されたことによるところが大きい.セル・ハーベスターの使用によるリンパ球培養のマイクロ化は患者からの採血を最小限にし,培養液などの消耗を少なくするばかりでなく,従来煩雑で時間のかかったハーベスト操作時間が短縮され,簡易化・均一化されるようになった.これらは検査室でのルーチン化にとって重要な条件である.

自動血球洗浄装置(Coombs試験を含む)

内川 誠 , 遠山 博

pp.1313-1315

 異種動物(ウサギ)をヒトグロブリンで免疫すると,その血清中にヒトグロブリンに対する抗体(抗ヒトグロブリン)を産生する.グロブリン(抗体や補体)が赤血球膜上に存在(結合)していると,抗ヒトグロブリン血清(クームス血清)はこのグロブリンと特異的に結合し,それらの赤血球は凝集を起こすようになる.1/4,000に希釈されたヒト血清(IgG濃度2μg/ml)の1滴ですら,抗ヒトグロブリン血清の1滴を中和すると言われている.それゆえ抗グロブリン血清を検体に加える前に,赤血球を十分に洗浄しておかなければならない.

 最近,幾つかの異なったタイプの検査用自動血球洗浄装置が市販されているが,これらの装置は,少量の赤血球を自動的に洗浄するため,抗グロブリン試験(Coombs試験)のように何回も赤血球を洗浄する必要のある検査では特に便利である.ここでは現在我々の検査室で使用している米国Dade製の自動血球洗浄装置(CM−7型)について,その原理,使用方法,使用に際しての注意点などについてふれようと思う(図1).

Ⅶ.座談会

免疫学的検査の進歩

笠原 和恵 , 矢田 純一 , 河合 忠 , 水岡 慶二 , 松橋 直

pp.1318-1327

 最近の免疫学的検査法の進歩は,様々な病態の解明に大きな役割を果たしている一方,臨床検査室では,methodologyの変革が迫られ,新たな問題点も生まれつつある.ここでは,現場での実情に加えて,免疫学的検査のポイントを話し合っていただく.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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