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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻13号

1979年12月発行

文献概要

今月の主題 形態検査 総説

T細胞・B細胞白血病

著者: 高月清1

所属機関: 1京都大学・第1内科

ページ範囲:P.1477 - P.1482

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 ヒトリンパ球は,その表面マーカーにより少なくとも二つのポピュレーションT細胞,B細胞に分類される.T細胞は,ヒツジ赤血球とロゼットを形成し,またT関連抗原(T associated antigen;HTLA)を有する.T細胞は,IgGのFc部分に対するレセプターを保有するTγと,IgMのFc部分に対するTμに分類され,その機能が異なることが明らかにされている.一方,B細胞は表面免疫グロブリンを有し,補体に対するレセプター(C3b, C3d)免疫グロブリンのFc部分に対するFcγレセプターを有し,マウス赤血球と非特異的なロゼットを形成する.そのほかにヒトB細胞同種抗原(human B-cell alloantigen;HBLA,Ia like Ag)をも有する.
 これらのレセプターを検討すると,T細胞は一部が補体レセプターを持ち(D細胞),FcγレセプターはT,Bどちらにも分類できないL細胞にも存在し,このL細胞の約半数がIa like Agを有すると言われる.またIa like Agは正常T細胞,腫瘍化したT細胞にも存在する.これらのことよりT細胞,B細胞の同定は必ずしも容易ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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