文献詳細
文献概要
研究
感染症診断へのガスクロマトグラフィー応用の試み・1—臨床材料中に微量存在する細菌由来の脂肪酸の分析
著者: 渡辺邦友1 上野一恵1 沢村治樹2 沢赫代2 川出真坂2 二宮敬宇3 鈴木祥一郎3
所属機関: 1岐阜大学嫌気性菌実験施設 2岐阜大学病院中央検査部細菌 3岐阜大学微生物学教室
ページ範囲:P.722 - P.725
文献購入ページに移動Gas liquid chromatography (以下GLC)を感染症の迅速診断に用いる試みは,Mitrukaらにより開拓され1,2),近年ではBrooksらがそれを受け継いでいる3,4).
著者らもここ数年来,嫌気性菌の同定のために常用してきたGLCを,感染症の迅速診断に応用することを目的とし検討を開始した.まずその手始めの段階として,血液培養のカルチャーボトル中の菌の検出及び同定に,GLCを応用することができることを報告した5).今回は膿汁,関節穿刺液などの臨床材料中に微量含まれていると思われる起因菌と生体の相互作用によって生じる有機化合物,特に揮発性脂肪酸(volatile fatty acid;VFA)と難揮発性脂肪酸(non volatile fatty acid;NVFA)に注目し,そのGLC分析パターンと培養成績を比較検討した.
掲載誌情報