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文献詳細

雑誌文献

臨床検査23巻8号

1979年08月発行

文献概要

研究

赤血球抗体検出用パネル血球の保存におけるアデニン,イノシンの添加効果

著者: 小松文夫1 佐藤ヒロミ1 矢野節子1 須田真美子1 太田信江1 尾中真理子1 松田美枝子1 中尾真2 武内重五郎3

所属機関: 1東京医科歯科大学輸血部 2東京医科歯科大学生化学 3東京医科歯科大学第2内科

ページ範囲:P.816 - P.820

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はじめに
 1959年中尾ら1)は保存中の赤血球の代謝を研究し,ATP崩壊過程にアデニン及びイノシンを同時添加することによって,赤血球のATPを再上昇させることに成功した.以後,赤血球の保存にアデニン,イノシンを加えることによって血球の延命効果が得られるということは諸家の一致して認めるところとなった2〜7).我々も輸血用保存血にアデニン,イノシンを添加して有効期限を延長させる試みを行っている8)
 ところで,赤血球抗体検出用の血球(パネル血球)は,保存期間が長くなるにつれて赤血球抗体の検出率が悪くなることがある.すなわち赤血球の被凝集性が低下する.これは古くなった血球は球状化したり2,3),赤血球膜が変性したり9)するためと考えられる,そこで我々は,この場合アデニンやイノシンを加えて保存すれば赤血球の被凝集性は余り低下せず,抗体の検出率も保たれるのではないかと考えて,アデニン,イノシンを添加して保存した赤血球について凝集反応の強さをみ,パネル血球の保存にアデニン,イノシンを添加することの有効性について検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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