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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査23巻9号

1979年09月発行

雑誌目次

今月の主題 電気泳動の進歩

カラーグラフ

骨髄腫

山口 潜

pp.868-870

 骨髄腫は,B細胞由来の形質細胞の悪性増殖性疾患と考えられている.骨髄腫細胞の形態は症例により多種多様で,各症例に特徴的な形態が認められる.Wright-Giemsa染色または電顕像から免疫グロブリンの型を想定することは困難であるが,IgA型骨髄腫ではflame cellのごとき形態を示す骨髄腫細胞が多い.

 骨髄穿刺液の塗株標本とclot sectionを比較すると,異型性の存在から腫瘍性増殖を早期に確認できるのは塗抹標本における細胞形態学でちる.このことは,骨髄腫の診断が確定した後で塗抹標本と組織を回顧的に比較してみても確認しえた.

技術解説

電気泳動によるリポ蛋白—脂質の分別定量法

浦田 武義 , 櫻林 郁之介 , 河合 忠

pp.871-880

 近年リポ蛋白の研究は目覚ましく,特にHDL-コレステロールに関する研究は種々の面から注目を浴びている.しかしリポ蛋白代謝の面から考えると,HDL中のコレステロールばかりでなく,他のリポ蛋白(LDL, VLDL)中のコレステロールも同時に測定することが必要であろう.また脂質の面からみると,各リポ蛋白中のコレステロール以外の脂質,すなわちトリグリセリドやリン脂質についても同様に測定する方法が開発されれば,更にリポ蛋白代謝に関する知見は倍加するに違いない.

 このように電気泳動による各脂質分画法の特徴は,"HDL, VLDL, LDLの全体にわたり各脂質の分布状態の変化を質的に,かつ定量的に俯瞰できる"ことにある.

Immunofixation electrophoresis

須藤 加代子

pp.881-887

 通常のGrabar-Williams免疫電気泳動法1)(IEP)は,まず支持体電気泳動により蛋白成分を分画し,次に抗血清(抗体)と分画された蛋白成分(抗原)を支持体内で拡散させ,抗原抗体反応を行うものである.それに対して1969年Alperら2)により報告されたImmunofixation electrophoresis (IFE)は支持体電気泳動後,ゲル内拡散を行わず,電気泳動によって分画された蛋白成分のうえに直接抗血清を作用させて抗原抗体反応を行う方法である.IFEの特徴は抗原が電気泳動された位置に拡散せずに免疫固定されることである.したがって,①近接した易動度を持つ複数の同種蛋白(複数のM蛋白,ハプトグロブリンの遺伝的な型別など)の固定3〜5)が可能であること,②IgM型M蛋白のL鎖の同定のように,IEPにては同定が困難な例においても,メルカプトエタノール処理をせずに同定できること,③微量の抗原を鋭敏に検出できること6)などが,IEPよりもIFEの優れている点である.

 しかし本法は拡散を行わず直接抗原抗体反応を行うので,見掛け上の適合比の幅が狭く,地帯現象を起こしやすいので抗体の力価に合わせて抗原の量を調節する必要がある.

細胞電気泳動

橋本 信也

pp.888-893

 細胞電気泳動法はかなり古くから多くの研究者たちの関心を集めてきた.しかし血漿成分の電気泳動法が著しい進歩を遂げてきたのに対し,細胞電気泳動法の研究,普及は遅れていたようである,細胞電気泳動法も原理的には通常の血清蛋白電気泳動法と同じであるが,異なるところは細胞という粒子をメジウムに浮遊させて霜気泳動を行い,細胞の移動する状態を顕微鏡下で観察する点である.顕微鏡下で移動する細胞の泳動時間をストップウォッチで測定する方法が分析用細胞電気泳動法(analytical cell microelectrophoresis)であり,普通細胞電気泳動というとこの方法を指している場合が多い.他に細胞を電気泳動度の差で分画する分離用無担体細胞電気泳動法(free flow cell electrophoresis)がある.

 本稿では現在比較的広く用いられている分析用細胞電気泳動法について述べる.本法の基本的な点は,適当な電解質溶液に浮遊させた細胞が電場内を陽極側へ移動する速さを測定することにあるが,この移動する速さは細胞膜表面荷電密度に比例する.普通生理的には細胞は陰性に荷電しているから,細胞電気泳動は細胞膜表面の陰性荷電量に影響されることになる.

総説

電気泳動分画定量の原理

島尾 和男

pp.895-901

 電気泳動により分離した分画を定量する方法の原理は,電気泳動実験法及び定量される分画の種類によりいろいろである.

 実験法の種類には,①Tiselius法,②ゾーン電気泳動法,③等電点電気泳動法,④等速電気泳動法,⑤連続電気泳動法,⑥免疫電気泳動法などがあり,定量される分画の種類には,蛋白質,複合蛋白質,酵素,ペプチド,アミノ酸,核酸,糖質,脂質,有機酸及び塩基,無機イオンなどがある.

臨床検査の問題点・119

抗血清の特異性

松橋 直 , 橋本 寿美子

pp.902-908

 免疫電気泳動をはじめ,抗血清のよしあしが測定値に大きな影響を与える検査は少なくない.現在,市販されている抗血清は約125種(60社)に上るが,使用する抗血清の特異性,力価をチェックすることは臨床検査室にとって大切である.

(カットはヒト血清寒天平板に抗血清を入れたとぎの沈降リング.二種の抗体を含むとリングは二重になる)

検査と疾患—その動きと考え方・33

多発性骨髄腫とM蛋白血症

山口 潜

pp.909-916

 症例1 T.Y.,初診時52歳,男,会社役員.

 主訴 胸部腫瘤切除時に発見された異常蛋白血症.

座談会

免疫グロブリンと酵素の結合

尤 芳上 , 菅野 剛史 , 屋形 稔 , 河合 忠

pp.918-925

 免疫グロブリンと酵素の結合物は,自己免疫疾患を中心とする新しい病態の解明に大きな役割を果たしつつあるが,その一方酵素の選択性や結合様式については未検討な部分が多い,検査室サイドから見いだされる新しい病態とされるだけに,検査室の注意力を更に必要とされるこれからの分野である.

私のくふう

自動分析用サンプルカップを利用したHDL—コレステロール測定法

星 辰男

pp.901

 最近話題の検査としてHDL—コレステロールが取り上げられ,特に操作が極めて簡便かつ迅速に測定できる沈殿法が主流をなし,既に各社よりキットが発売されている.ただ各キットとも試料100μl,沈殿試液100μlで総量200μlであるため,混和,上清液採取に非常に神経を遣う.このようなことから極小スピッツグラスなどを使用したり種々と工夫したが,自動分析用サンプルカップを利用することによりこれらの悩みを解決し,良好な結果を得ているので報告する.

臨床化学分析談話会より・72<関東支部>

リポ蛋白の豊富な最新知見—リポ蛋白の基礎と臨床

大竹 皓子

pp.917

 第222回臨床化学分析談話会関東支部例会(1979.5.15)は東大薬学部講堂で開かれた.今回は"リポ蛋白シリーズ"の第1回目で,①リポ蛋白と臨床と題して慈恵医大・内科の中村治雄先生,②虚血性心疾患と血清脂質と題して虎の門病院・循環器内科の山口洋先生に,主に臨床面からみたリポ蛋白の問題について話題を提供していただいた.

 はじめに中村先生は,リポ蛋白の種類,構造と機能及び動脈硬化症や虚血性心疾患との病態生化学的なかかわりについて解説された.動脈硬化症と言えば,動脈壁へのコレステロールの沈着によることはよく知られているが,この病態を理解するうえでは,コレステロールやTGを豊富に含有する低比重リポ蛋白(LDL,VLDL)が生体内でいかなる代謝を受けているかを解明することが重要なかぎであり,近年ようやくその代謝メカニズムが明らかにされてきた段階であると述べられた.

学会印象記 第29回電気泳動学会春季大会

豊富な自験例と漸新な知見

池本 卯典

pp.926

 緑は濃く,初夏の陽に映える新宿御苑にほど近い野口英世記念館(東京)において,6日1日,2日の両日,阿部正和教授(東京慈恵会医科大学第3内科)の主宰により,第29回電気泳動学会春季大会は開催されました.

Ex Laboratorio Clinico・33

潰瘍性大腸炎の線虫抗原による免疫反応

辻 守康 , 木村 公彦

pp.927-932

 潰瘍性大腸炎は我が国において近年増加の傾向がみられ,若年者に発病することが多く,長年の治療を必要とする難治性疾患の一つである.しかも本症の定義に"主として粘膜を犯し,しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症"と言われているごとく,その原因はまだ明らかでない.私どもはたまたま潰瘍性大腸炎症例の中には寄生蠕虫抗原との間に血清反応が陽性を呈する者があることに気付き,その後幾つかの検討を行って興味ある成績が得られているので,若干の考察を加えて記してみたい.

研究

血液ガス微量測定の問題点

藤川 淳策 , 大塚 勲 , 宮坂 勝之 , 三川 宏

pp.933-935

緒言

 新生児,未熟児において血液ガス,酸塩基平衡の測定は重要な検査の一つである.呼吸管理や重症の酸塩基平衡障害の治療に必須である.今日これらの測定方式は電極法が多く用いられている.PO2,PCO2,pH測定用の電極は同一装置に組み込まれ,同時に測定される.しかも自動化,微量化され,少量の検体で短時間に測定されるようになった.

 新生児,未熟児では多量の血液試料を採取することは困難である.したがって微量の検体てより正確な測定値が要求される.しかしながら微量測定された血液ガス分析値は,その評価に際して問題はないであろうか.著者らはこの点に関して若干の検討を行ったので報告する.

硫化銀膜電極による髄液蛋白定量

森下 芳孝 , 中根 清司 , 高阪 彰

pp.936-939

緒言

 従来より,髄液蛋白定量においては尿蛋白定量と同様の方法が多く採用され,ズルホサリチル酸1)とかトリクロロ酢酸2)による比濁法が一般的である.これらの方法は蛋白組成により濁度が異なり,髄液としては多量の試料が必要であり,かつ測定時間も比較的長く,種々の問題が指摘されている.その後,ズルホサリチル酸に硫酸ナトリウムを添加し,蛋白組成による濁度差をなくしたMeulemans2)法が報告されたが,感度が非常に低いため髄液1.Omlを必要とし,濁り形成後の安定性が悪いなどの問題がある.また,最近Bradford3)は,クマシーブリリアントブルーG250を用いた色素法を報告しているが,試薬ブランクの発色が大きいこと,定量できる範囲が非常に狭いことなどが問題である.

 1974年にAlexanderら4,5)は,硫化銀膜電極を用いて蛋白定量を試みており,著者らは彼らの方法を追試検討し,髄液の蛋白定量を応用した.

抗D抗体検査用赤血球の保存中における抗原性の変動

松井 博範 , 石原 佑弌 , 神保 芳郎 , 井上 裕正

pp.940-942

緒言

 血球抗体や血液型などの免疫血液学的検査には試薬として赤血球を必要とするが,これに用いる赤血球は新鮮なものが望ましい.しかしながら保存した赤血球を使用することもあるので,その場合には保存中における赤血球の抗原性の変動を知っていないと,成績の判読に問題が起こるかもしれない.

 保存中における赤血球膜浸透圧抵抗変化及び赤血球中のATP及び2,3—DPG量変化については笹川ら1)が報告しているが,赤血球の抗原性の変動についての具体的な資料は現在のところ見当たらない.そこで保存中における赤血球の抗原性の変動をみるために,冷蔵保存と凍結保存を行った場合における赤血球の抗D抗体に対する反応性を観察するとともに,赤血球数の減少の状態も併せて観察した.その結果興味ある知見が得られたので報告する.

セパラックス電気泳動法による血清酸性ムコ多糖測定・1—測定法の検討

藤田 清貴

pp.943-946

緒言

 酸性ムコ多糖(以下AMPS)は,生体内で主に結合組織のコロイド様基質の非コラゲン蛋白と結合して存在し,細胞外液の容量調節,電解質(特に陽イオン)の移動,カルシウムの組織での平衡と沈着,組織の線維化などの機能を発揮するとともに,組織の構材物質として,組織の維持やその強度,柔軟さなどに重要な役割を果たしている1)

 また日常の検査,特にセルロース・アセテート膜電気泳動(以下セ・ア膜電気泳動)において,まれながらヒアルロン酸の増量によるアルブミン峰の変形2),"カギ型"アルブミンの出現3)などが報告されている.

編集者への手紙

緊急検査時の血液型判定

福原 敏之

pp.947

 血液型の緊急検査のなかには①結果だけを必要とするとき,②輸血が必要なときに大別されます.①については外来では今日中に提出する書類に証明書が欲しいと言ってくることと,院内では術前検査項目に記入するために緊急検査で依頼してくるのが多い.私どもの150床ほどの病院においてはウラ検査用血球の確保が困難で週2回ほどにまとめて実施している現状では,緊急検査においてはオモテ検査のみ実施しなくてはなりません.今回緊急検査依頼で「AB型,Rho (D)陽性」と報告,夕方に交差適合試験の依頼で,全例に凝集を認め不適合となった1例を報告します.ちなみに緊急検査時の①ABO式血液型判定法は生食2%血球浮遊液を用いて試験管法で実施し,残り血球と血清は後日精検のため保存しています.②Rho (D)血液型判定法はホールグラス法を実施しています.

新しいキットの紹介

ペーパーディスク固相法による新しい血中成長ホルモンのラジオイムノアッセイキットの使用経験

阪東 慶一 , 笠原 素子 , 森田 純央 , 泉 寛治

pp.948-950

はじめに

 ヒト成長ホルモンは脳下垂体前葉に局在し,アミノ酸191個で構成され,約21,000の分子量を持つ蛋白ホルモンである.成長ホルモンの主な作用は個体の成長に関与するものであるが,成長停止後の老人においても,糖質代,謝脂質代謝,蛋白代謝の広範な領域に,何らかの機能を有していることが明らかである.しかしまだ完全にその本態は究明されていない.

 従来より,ヒト血中成長ホルモン(hGH)を測定する手段として,二抗体法によるラジオイムノアッセイが存在したが,最近抗hGH抗体を吸着させたペーパーディスクを用いる新しい測定法が開発された.今回我々は本キット(Pharmacia,Phadebas hGH Prist:塩野義製薬株式会社提供)を入手する機会を得て,種々検討したので報告する.

新しい機器の紹介

コアギュレーション・プロファイラーによるフィブリノゲンの迅速定量法

山内 雅夫 , 瀬谷 司 , 小熊 豊 , 村越 敏雄 , 長田 博 , 長谷川 淳 , 村尾 誠

pp.951-955

はじめに

 フィブリノゲン(Fbg)の測定には,従来よりチロジン法,重量法あるいは一次限免疫拡散法などが標準的に採用されてきたが,これらはいずれも手技が煩雑で測定にかなりの時間を要し,DICなどの緊急時には対応が困難であった.このような状況にかんがみ,今回我々は,血液凝固自動測定装置(コアギュレーション・プロファイラー)を利用してフィブリノゲンの迅速定量を試み,検討を加えた.

検査室の用語事典

統計学

土肥 一郎

pp.957

71) population variance;母分散

 n個の資料(x1,x2,…xn)について求めたバラツキの示標はs2x=1/nnΣi=1(xi—x)2となるが,これを基にして母集団での分散を推測するとσ2x=1/n−1nΣi=1(xi—x)2となる.

超音波検査<臨床編>

竹原 靖明

pp.959

2.頭部・脳

13)脳エコー像(法);〔two-dimensional〕echoencephalogram (echoencephalography)

 Bモード表示により頭蓋内を描写した断面像,またはその方法.

質疑応答

臨床化学 コリンエステラーゼの正常値

N生 , 中山 年正

pp.961-963

 〔問〕コリンエステラーゼの正常値は0.8〜1.1ΔpHと言われてきていましたが,このごろは0.7〜というように少し下がっているように思われます.当所(検査センター)で健康と思われる人を対象に実施したところ,栄研のΔpH法では0.41〜1.21ΔpH,和光の酵素法では0.40〜1.12ΔpH,ヤトロンでは0.42〜0.90ΔpHの範囲になりました,メーカーに聞いても,このごろは少し下がっているとの解答しか得られません.病院などでは0.7ΔpHくらいまで持ち上げて正常値の下限としている所が多いようです.この正常値という問題をどのように考えていけば良いのでしょうか.

臨床化学 グルコースオキシダーゼ法による血糖定量キットの除蛋白操作

Y生 , 佐々木 禎一

pp.963-966

 〔問〕市販のキットには除蛋白試薬は含まれていないのですが,専門書には除蛋白しなくとも良いとは書かれていません.そこで一般的に,除蛋白したのとしないのとでは差はどのくらいと考えられるのでしょうか(共存物質は考えないとして).

血液 リストセチンの作用

T生 , 飯塚 敦夫 , 長尾 大

pp.966-968

 〔問〕なぜリストセチンは血小板を凝集させるのですか.他の抗生物質もそのような作用を持っているのでしょうか.

 またリストセチン凝集の臨床的意義についても教えてください.

免疫血清 抗核抗体について

M生 , 浅川 英男 , 清水 初子 , 森 亘

pp.968-970

 〔問〕抗核抗体(ANA)とLE,DNA,補体などの関係及び臨床的意義についてお教えください.また,現在螢光抗体法によるANA検査を行っていますが,毎回バラツキが多く十分な結果が得られません.操作上などにおける重要な点を教えてください.

微生物 大腸菌を疑わせる菌の同定/病理 脱灰の終了を確認する方法は?

D生 , 田村 和満 , H生 , 河又 國士

pp.970-974

 〔問〕生化学的性状からは大腸菌が疑われる菌ですが,サルモネラの疑いも捨て切れず凝集反応を試みたところ,O群多価とC2群に凝集しました.H凝集を行ったところ凝集は認めませんでした.更に赤痢菌のB群のⅠ,Ⅱに凝集を認めました.塗抹平板を1週間くらい放置したところ変異株を多数認めました.生化学的性状は下記のごとくです.以上のことから,①大腸菌として良いか,②サルモネラと赤痢菌抗血清に同時に凝集した理由,③仮にサルモネラとすると,O群多価に凝集しHに凝集しなかった理由,をご教示ください.

クリグラー培地 —/AG

 〔問〕通常脱灰が終了したかどうかを,指で圧して調べたり針を刺したりしますが,それでも切片作製のときに脱灰不十分なときがあります.針で多数刺すことも良くないので,良い方法がありましたら教えてください.

臨床生理 クロージングボリウム

S生 , 谷合 哲

pp.974-976

 〔問〕クロージングボリウムの生理的解釈をお教えください.

一般検査 PSP試験について

O生 , 折田 義正 , 今井 宣子

pp.976-978

 〔問〕PSP試験では,①比色定量は採尿後なるべく早く行わないと色素が退色する,②特にアルカリで赤変させた尿は1時間以内に測定すること,と「臨床検査法提要」などに書かれていますが,①は何がどんな変化を起こすのでしょうか.また,②の変化はPSPのキノン型がくずれてトリソジウム型になるために起こるという話を聞いたことがありますが,我々の実験では2〜3時間まで変化を認めませんでした.この現象は検査データを誤らすほど起こっているものでしょうか.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

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今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

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64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
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63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

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今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

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60巻10号(2016年10月発行)

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今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

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今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

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60巻4号(2016年4月発行)

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今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

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59巻12号(2015年11月発行)

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59巻11号(2015年10月発行)

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今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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