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特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis Ⅲ.最近注目されている出血性素因
2.線溶阻止物質と出血
著者: 坂田洋一1 青木延雄1
所属機関: 1自治医科大学血液研究所止血血栓部門
ページ範囲:P.1297 - P.1303
文献購入ページに移動プラスミノゲンアクチベーターの阻害因子は組織中にはその存在が示されているが,循環血中のその本態はまだ解明されていない.プラスミンの血漿中の阻害因子としては表1に挙げたようなものが認められるが,最近我我の研究室で分離精製されたα2-プラスミンインヒビター(α2-PI)1)が,生理的に最も重要なプラスミンの阻害因子であることが判明してきた2,3).本稿では重篤な出血傾向を来したその遺伝的欠損症について述べ,それに関連してα2-PIの生理的意義について論ずることにする.
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