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特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis Ⅵ.出血性素因の新しい検査法と問題点
6.血管に関する機能検査法
著者: 前川正1 小林紀夫1
所属機関: 1群馬大学・第3内科
ページ範囲:P.1424 - P.1430
文献購入ページに移動したがって,何らかの原因による血管壁の異常が一次的でありかつ直接的な原因となって,出血傾向を惹起することは当然ありうることで,実際ここに分類される出血性素因は少なくない.しかるに,その診断は血小板や凝固線溶系の異常に基づく出血傾向のごとく,止血機構における障害を検査によって直接明らかにできるのと異なり,それぞれに特有な出血症状の把握と,現存する止血能検査に異常を認めないという成績に依存するのが現状である.血管機能を検討する良い検査法がないからである.血小板,凝固線溶系の研究は近年著しく進展した.それに伴って,血管,特に内皮細胞や基底膜,コラゲンなどに関する研究も盛んとなり,これらの機能も徐徐に解明されつつある.
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