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文献概要
今月の主題 リンフォカイン 技術解説
マクロファージ遊走阻止試験
著者: 山浦昇1 染谷彰1
所属機関: 1北里大学微生物
ページ範囲:P.7 - P.14
文献購入ページに移動 マクロファージ遊走阻止試験(MIT)は,in vitroにおいて生体の遅延型アレルギー性の有無を調べるために考え出されたものである1).その後,遅延型アレルギーのみならず広義の細胞性免疫に感作された動物のリンパ球は,対応抗原と培養することによって複数の生物学的活性物質を産生することが分かり,それらは総称してリンフォカインと呼ばれている2).その中に,migration inhibitory factor(MIF)と呼ばれる物質も含まれている3).このMIFがマクロファージの膜表面のレセプターに結合すると,粘着性が増してその遊走運動を阻止すると考えられている.
本試験は遅延型のアレルギー反応だけでなく,移植免疫,特殊感染症の免疫,腫瘍免疫を含む広義の細胞性免疫の消長を正しく反映していることが確かめられ4〜9),本試験の臨床応用への試みが幅広く行われるようになった.臨床応用例としては,前述したもののほかに免疫不全疾患患者の免疫能の検査10,11),悪性腫瘍の術後の予後判定12),自己免疫疾患の検索13,14),などが挙げられる.
本試験は遅延型のアレルギー反応だけでなく,移植免疫,特殊感染症の免疫,腫瘍免疫を含む広義の細胞性免疫の消長を正しく反映していることが確かめられ4〜9),本試験の臨床応用への試みが幅広く行われるようになった.臨床応用例としては,前述したもののほかに免疫不全疾患患者の免疫能の検査10,11),悪性腫瘍の術後の予後判定12),自己免疫疾患の検索13,14),などが挙げられる.
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