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文献概要
今月の主題 リンフォカイン 総説
リンフォカインと臨床的意義
著者: 笠倉新平1
所属機関: 1京都大学検査部
ページ範囲:P.29 - P.35
文献購入ページに移動リンフォカインとは何か
感作リンパ球を感作に用いた抗原とともに培養すると,リンパ球は種々の活性物質を培養液中に放出する.これらのうち免疫グロブリンを除いた活性物質をリンフォカイン(Lymphokine)と付名けており,遅延型過敏症,標的細胞傷害をはじめ種々の細胞性免疫を発現させる作用物質として,あるいは液性免疫においてその調節機能に関与する作用物質として注目されている。非感作リンパ球でも,マイトジェンであるPHA,Con A,PWMなどで刺激培養した際に産生される.
現在,少なくとも50種類のリンフォカインが報告されているが,これらのリンフォカインはいずれもin vitroでの試験管テストによって発見されたものであり,これらのリンフォカインの分子性状の異同,物理化学的性質についてはまだ明らかでないものが多い.したがって,これらのリンフォカインのうち幾つかは単にアッセイ方法の違いによって異なる活性を示し,そのため全く異なるリンフォカインとして別々に報告されたが,実際はいずれの活性も同一物質によって示されている可能性もあるし,また報告されているリンフォカインの幾つかは単に試験管内での人為的現象にすぎず,生体内での免疫反応には全く関与していない可能性もある.主なリンフォカインを表1に挙げた.本稿ではこれらのリンフォカインのうち,ヒトで比較的よく研究されているリンフォカインについて述べてみたい.
感作リンパ球を感作に用いた抗原とともに培養すると,リンパ球は種々の活性物質を培養液中に放出する.これらのうち免疫グロブリンを除いた活性物質をリンフォカイン(Lymphokine)と付名けており,遅延型過敏症,標的細胞傷害をはじめ種々の細胞性免疫を発現させる作用物質として,あるいは液性免疫においてその調節機能に関与する作用物質として注目されている。非感作リンパ球でも,マイトジェンであるPHA,Con A,PWMなどで刺激培養した際に産生される.
現在,少なくとも50種類のリンフォカインが報告されているが,これらのリンフォカインはいずれもin vitroでの試験管テストによって発見されたものであり,これらのリンフォカインの分子性状の異同,物理化学的性質についてはまだ明らかでないものが多い.したがって,これらのリンフォカインのうち幾つかは単にアッセイ方法の違いによって異なる活性を示し,そのため全く異なるリンフォカインとして別々に報告されたが,実際はいずれの活性も同一物質によって示されている可能性もあるし,また報告されているリンフォカインの幾つかは単に試験管内での人為的現象にすぎず,生体内での免疫反応には全く関与していない可能性もある.主なリンフォカインを表1に挙げた.本稿ではこれらのリンフォカインのうち,ヒトで比較的よく研究されているリンフォカインについて述べてみたい.
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