icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻1号

1981年01月発行

文献概要

研究

抗EA-IgG抗体測定に用いるEA抗原作製方法

著者: 武井みどり12

所属機関: 1会津成人病試験研究所 2郡山免疫研究所

ページ範囲:P.77 - P.79

文献購入ページに移動
はじめに
 EBウイルス(EBV)関連抗原の一つである早期抗原1)(early antigen;EA)をIUdRを用いて効率良く誘発させる方法を検討した,この実験の目的は,細胞生残率をよく保ちながらEAの保有率の高い細胞を得.塗抹標本を作製するところにある,細胞生残率を問題としているのは免疫螢光法(immunofluorescense;IF)を用いて抗体価を測定する際,死細胞が多く存在すると非特異螢光の原因となり誤った結果を出す恐れがあるためである.
 EAに対する抗体はEBV感染症である伝染性単核症2)(infectious mononucleosis;IM)や上咽頭癌(naso-pharyngeal carcinoma;NPC),Burkittリンパ腫3)(Bu-rkitt lymphoma;BL)などの患者血清中に検出される.その他,白血病やHodgkin病でも検出さねることがあるが、これは患者の細胞性免疫能の低下によると考えられている.また小児でまれにこの抗体が検出されることがあるが,これはEBVの不顕性感染を示唆する4).なお正常健康人に証明されることはごくまれである.特にIMにおけるこの抗体価の推移を見ると,EBV感染後10日くらいから抗EA抗体が出現し,1か月くらいでピークに達し2)治癒とともに約5か月後には完全に消失するので,この抗体の追跡はIM診断上に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?