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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査25巻10号

1981年10月発行

雑誌目次

今月の主題 RIを用いる検査

カラーグラフ

RIによる脳循環測定

外山 比南子

pp.1080-1082

 133Xeなどの拡散性放射性ガスによる脳循環測定法は,γカメラ・コンピューターシステムの導入により,より定量的なカラー機能図として診断に用いられるようになった.ここでは,内頸動脈注入法により得た脳血流分布カラー機能図を,代表的な4症例について図示する.脳血流量機能図は,主に,最高計数(PC)イメージ,総計数(TC)イメージ,半減時間(HT)イメージで表現した.最高及び総計数イメージは,脳半球内の最大値を100とし,10ずつを1色の違いとして表示し,半減時間は40秒から180秒までを10秒間隔,14色で表示した.

技術解説

RIによる換気と肺血流分布の検索

井沢 豊春

pp.1083-1094

 肺は,ガス交換に関与する肺動脈と,肺の栄養に携わる気管支動脈の二重の血管支配を受ける.同じく動脈といっても,前者は全身を循環して右心に帰った静脈血を容して低血圧で循環し(肺循環)(収縮期圧20mmHg,拡張期圧10mmHg,平均圧14mmHg),一方,気管支動脈は全身を循環すると同じ体血圧(収縮期圧134mmHg,拡張期圧80mmHg)で循環する動脈系(体循環)に属する,肺の機能は,全身を循環して心臓にもどった静脈血が肺で炭酸ガスと酸素の交換を行うことにあり,動脈血化した血液は肺静脈を経て左心にもどり,再び全身を循環する.これが肺の行うガス交換であり,通常,呼吸と呼んでいるものである.言い換えると,生体と外界との間に行われるガスの交換過程が呼吸である.

 さて,肺動脈から肺末梢の前毛細管や毛細血管床に達した静脈血は,これを取り巻く肺胞との間にガスの交換を行い,動脈血となって左心にもどるが,この肺動脈血の肺内での分布が,とりもなおさず肺動脈血流分布にほかならない.通常,呼吸器核医学で肺血流分布というのは,肺内における肺動脈血流分布を意味する.肺胞への酸素の供給,肺胞からの炭酸ガスの放出は,肺内外への空気の出入りによって行われる.肺への空気の出入り,これが換気である.したがって呼吸は,肺内に分布した肺血流と換気との間に行われるガス交換にほかならない.本稿では,更に非呼吸性肺機能についても言及する.

RIAによる血中薬剤濃度の測定

豊島 滋

pp.1095-1105

 ホルモンや生理活性のあるオリゴマーやポリマーを除いた薬物のラジオイムノアッセイ(RIA)は次のような目的で,血中濃度をはじめとして各種の体液,尿や糞便中濃度の測定に用いられる.①安全量と害作用発現量の間隔が極めて狭い薬物.このため定時的に血中濃度を測定する必要がある場合.②その生体内動態ないし代謝的動態がその薬物の効果と害作用と関連の深い場合,特に投与方法や投与量との関係からみて有効物質の血中濃度を測定し,これを増加させる方策を考える場合.③ある薬物の作用機作を究明する場合—その物質ならびにその代謝物質の微量か,極微量のものを特異的に測定せねばならぬことがある.RIAはこのような場合,有力な武器である.

 薬物の生体内動態は以上のように,RIAにより特異的かつ鋭敏に測定されるが,日常キットとして市販し,実用に供する必要性のあるものはそれほど多くはない.表1と表2は入手できる薬物RIA測定用キットとその提供会社を示したものであるが,日進月歩の世の中であるから,この表に載っていない場合でも日本アイソトープ協会に問い合わせるのが得策である.

左心機能解析法

小林 毅 , 宮本 篤

pp.1106-1112

 近年,循環機能検査のための装置が種々開発され,また心臓核医学的検査法が広く利用され,注目されている.本法は,心筋イメージング法とRI心血管造影法に大別され,非侵襲的な心筋灌流状態の把握あるいは心臓ポンプ機能の検討に応用されている.

 一般にRIイメージングは心循環動態の把握に優れた特色を持っているが,画像の分解能,精度などに必ずしも十分ではない.しかし,解析処理のためのコンピューターの開発により,左心機能解析法などミリ秒単位の心臓の動きを解析するために要する莫大な量のデータ処置が可能となっている.

総説

RIによる脳循環測定

鳥塚 莞爾 , 石井 靖

pp.1113-1122

 RIによる脳循環測定は,他の臓器のそれに比べて最もよく進歩し,また病態生理解明への寄与の著しいところである.ある臓器内の状況をRIをトレーサーとして用いて,体外計測の対象としようとするとき,いつも問題となるのは,対象となる臓器以外に由来する重なり合った放射能をバックグラウンドとして計測せざるを得ず,対象のみの選別が困難な点にある.この点で,人の脳は大きくて,身体から突出しているので,早くから計測の対象としやすかった.他方,成人の脳の酸素消費量は100g/分,脳組織重量当たり3.3mlであって,これは全身の酸素消費量の20%に相当しており,これに伴って消費されるブドウ糖の量は,肝から放出される量の大半を占めている.このような大量消費は,心拍出量の15%に相当する豊富な血流供給に依存しているわけであり,脳の重量が体重のわずかに1/40〜1/50でしかないことを考えると,脳がいかに密接に血流に依存する臓器であるかが理解できよう.このような理由で,脳の機能を理解するためにはまず,その血流の測定が極めて木質的な要件であることが理解できよう.しかしながら,脳の機能は,言うまでもなく精神活動であって,それは覚醒・情動に支えられて,種々の情報を受容・加工・貯蔵し,これらを有機的に企図・制御しているが,このような種々の機能は,皮質—皮質下,前頭葉—側・後頭葉と,他の臓器に比べて,機能分担の地理的区分が比較的に明確なところである.

臨床検査の問題点・144

RIの取り扱い

飯尾 正宏 , 中島 公雄 , 伊藤 節子

pp.1124-1136

 RIAで代表されるin vitroのRI検査は,近年,内分泌検査を中心に非常な勢いで伸びてきた.しかし,その実施に際しては,取り扱い部署,廃棄の仕方,安全性,また試薬キットの精度と管理の方法などをめぐって多くの問題が伴う.検査技師にとって,果たして合理的な対処の仕方とは…….

(カット写真はRIAの創始者の一人であるR.S.Yalow博士)

検査と疾患—その動きと考え方・58

異所性ホルモン産生を伴ったSipple症候群の一家系例

安達 勇 , 阿部 薫 , 田中 直史

pp.1137-1144

 近年,種々のホルモンがラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay;RIA)により簡便に測定されるようになってから,腫瘍中からいろいろなホルモンが比較的高頻度に産生,分泌されていることが明らかにされてきた,このことは腫瘍患者を日常診療する際,積極的にこれらのホルモンを測定し,腫瘍マーカーとして臨床的に腫瘍の診療効果の判定や予後を知るうえで,有用な臨床検査の一つとなってきていることを示している.

 そこで本章では,最近,話題になっている多発性内分泌腺腫症のII型であるSipple症候群の診断治療の進め方,及び腫瘍の異所性ホルモン産生について,我々の体験した症例を中心に述べていきたい.

私のくふう

自作フードによる螢光像の撮影法

山田 隆幸

pp.1105

 近年螢光測定もできるデンシトメーターが普及しつつあるが,その螢光像の保存が難しく,写真撮影による保管法しかないのが現状である.

 そこでCorning 720型Fluoro-meter/Dencitometer付属のビュアーに,直接接続できるカメラフードを考案したところ,写真撮影が可能になったので報告する.

Ex Laboratorio Clinico・58

RIA事始

Rosalyn S. Yalow , 入江 実

pp.1145-1151

生い立ちと研究者への道

 ――本日は、ラジオイムノアッセイ(RIA)の創始者の一人として,また女性でノーベル賞を受賞されたということでも有名なYalow博士に,いろいろとお話を伺ってみたいと思います.まず,先生はどのようなきっかけで科学者になり,またどのようにしてRIAを中心とした立派なお仕事をなさったのか,お聞きしたいと思います.

 Yalow 私は子供のころからずっと,科学者になりたいと思っていました.しかし,科学のどの分野に進むかを決めるのは難しいことでした.小学生のころは算数が好きで,高校では幾何学や代数学,それから化学に興味を持つようになりました.私が大学,大学院に行った1930年代は,物理学,特に核物理学が私にとって最も魅力的な分野に思えました.みんなキュリー夫人や他の科学者の物語を読んで,ちょっと実験をやれば大発見ができてノーベル賞をもらえる,というような印象を持ったような時代たったのですからね.しかし,世界中どこでもそうですが,女性が物理学界になかなか受け入れてもらえない,という点はありました.実際,私が大学院に進もうとしていたとき,それよりもそこの大学院の著名な生物化学者の秘書として働くように,と物理学の教授に勧められたことがあります.私は1941年1月に学士号をもらい,実際に秘書として働くことにしました.

負荷機能検査・22

低酸素負荷試験

前田 如矢

pp.1152-1155

 低酸素負荷試験は,従来から冠不全の診断に用いられていたが,近年,トレッドミルやエルゴメーターによる運動負荷試験が普及し始め,一般に余り行われなくなった.しかしながら,この試験は潜在性冠不全の発見に有用なばかりでなく,また肺機能障害や循環不全の診断にも応用しうる方法であり,捨て難い持味がある.特に現代は,科学の目覚ましい進歩により地球上の超高空に人工衛星が飛び交う時代であり,低圧低酸素状態に対する生体反応の分析が再びクローズアップされている.

 低酸素負荷試験は,臨床機能検査法の一つとして古い歴史を持ち,かなり以前から試みられていた.1921年,Green及びGilbert1)は初めて低酸素負荷時の心電図所見の変化を記載したが,それ以来,実施方法,酸素濃度などの点で実に様々な方法が行われてきた.

アイソエンザイム・10

ロイシンアミノペプチダーゼ

菅野 剛史

pp.1156-1160

 アミノペプチダーゼの活性の測定には,古くから多種の化合物が基質として用いられ,それぞれ名称が付せられている.血清のアミノペプチダーゼも全く同様の傾向が強く,大部分がLロイシルXという化合物を基質とすることからロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)と総称され,臨床的な評価の対象とされてきた.

 この血清中のアミノペプチダーゼ活性の変動を臨床的に初めて評価したのは,Lロイシルグリシンを基質とした方法で測定したFleisher1)であると思われる.しかし,方法的には日常分析に応用することは困難な方法であると考えられ,以後はSeligmanら2)によって開発されたナフトール誘導体が,日常分析への応用のうえからも容易であり,かつ組織化学的にも基質として用いられることから,LAPの基質として用いられ,臨床評価がなされていくことになる.

研究

市販されている三キットを用いた血漿cyclic AMP濃度の比較検討

後藤 徳子 , 冨永 詩郎 , 村上 松太郎

pp.1161-1164

はじめに

 アデノシン3',5'モノホスフェート(cyclic AMP;cAMP)の生理学的1),病態生理学的役割2)については広範にわたる研究が報告されているが,体液中のcAMP濃度が臨床検査上の意義を有するとの報告はまだ少ない.例えば,尿中排泄量が偽性副甲状腺機能低下症の鑑別診断に3),また血漿中の濃度が心筋梗塞の予後判定に役立つとか4,5),脳せき髄液中の濃度が頭部外傷6)や脳血管障害7)において意識障害の程度と相関がみられた,という程度にとどまる.また筆者らの観察によれば急性期脳梗塞において,脳シンチグラム上の異常範囲の大きさと,末梢静脈血漿中cAMP濃度の経日変動とは相関を示すが,脳脊髄液中や内頸静脈血漿中のcAMP濃度とは相関を認めなかった8)

 このように,各報告にみられる体液中のcAMP濃度の諸疾患における変化をはじめとして,その絶対値には報告により大きな相違がある.この理由の一つに測定法による差が考えられるので,市販キットの比較検討を試みた.

アルカリホスファターゼを用いた免疫グロブリン酵素架橋法

畔川 一郎 , 松本 荻乃 , 横山 友子 , 大西 忠博 , 石河 利隆

pp.1165-1167

はじめに

 ルーチンに作製されたホルマリン固定,パラフィン包埋材料を用いての免疫組織化学的研究方法として,免疫グロブリン酵素架橋法(immunoglobulin enzyme bri-dging method;IEB法)1)の有用性は広く認められている.標識酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼ(horse-radish peroxidase;HRP)を用いるいわゆるPAP法(peroxidase anti peroxidase法)が一般的に行われているが,原理的には組織化学的に検出できる様々の酵素もまた標識として使用できる.実際,Masonら2)はアルカリホスファターゼ(ALP)を用いる方法を開発し,HRPによるPAP法と併用した二重染色法を発表している.我々もALPを用いたIEB法を試み,若干の改良を加えて,PAP法より更に良好の結果を得ている.PAP法においてペルオキシダーゼの基質として用いている3,3'ジアミノベンジンが発癌性の問題により入手困難となりつつあり,この点からもPAP法に代わるものとして,本法の有用性を強調したい.

新しいキットの紹介

免疫阻害法によるCK-MBの測定とその自動化について

宇治 義則 , 田渕 明子 , 伊藤 繁子 , 祢津 啓子 , 岡部 紘明 , 野間 昭夫

pp.1170-1173

はじめに

 クレアチンキナーゼ(creatine kinase;CK)はMとBのサブユニットから成り,MM,MB及びBBの3種の組み合わせのアイソエンザイムが存在する.しかしCK-BBが血清中で認められるのは非常にまれである.CK-MBは心筋中に多く存在し,心筋梗塞の診断に有効なマーカーとして用いられている1〜3).この検査は緊急性を有することと酵素活性が不安定なことにより,迅速かつ正確に測定する必要がある4,5)

 CK-MB測定法としては,従来よりカラム法6,7)と電気泳動法8〜10)が用いられているが,特異性や精度の面でそれぞれ欠点がある.これに反し,免疫阻害法11〜13)はCK-Mを抗M抗体で抑え,CK-Bのみの反応をみることができるので,比較的特異性が高いと考えられる.今回,我々は自動分析装置ABBOTT-VP (アボット)を用い,免疫阻害法によるCK-MB測定の基礎的検討を行ったので報告する.

螢光スペクトル差を利用したカテコールアミン分別定量キットについての基礎的検討

中井 利昭 , 山田 律爾

pp.1174-1176

はじめに

 生体内のカテコールアミンとしてはアドレナリン,ノルアドレナリン,ドーパミンがあり,これらホルモンの測定は交感神経・副腎髄質機能検査として重要である.しかし実際に検査室でカテコールアミンの測定が必要となる疾患は褐色細胞腫であり,またこの測定が褐色細胞腫診断の唯一の決め手となるため,現在の尿中カテコールアミンの測定意義はこの疾患に限っていると言ってよいと思われる.このように重要な測定項目であるが,現在のところ尿中カテコールアミンが実際に測定されている検査室は少ない.これは測定法としては既に二十数年前より極めて感度の高い,また比較的再現性の優れた螢光法が発表されているが1〜3),カラム作製など測定の煩雑さのためなお研究室での測定の段階にとどまっている.最近は高速液体クロマトグラフィーが一部の検査室で用いられるようになったが,高価なためすべての検査室で普及するには問題点があり,螢光測定法はなお捨て難いものであろう.

 今回,我々はBio-Rad Laboratoriesの螢光法4,5)によるカテコールアミン測定キットを入手し,これについて基礎的検討を加え,検査室でのルーチン化に有用であることを明らかにした.従来よりカテコールアミンの螢光測定法としては,pHによる酸化の差を利用した方法が用いられてきた.すなわちpH 2〜3.5で酸化するとアドレナリンは酸化されて螢光を発するが,ノルアドレナリンはほとんど酸化されない.

検査室の用語事典

凝固・線溶検査

藤巻 道男

pp.1177

93)第ⅩⅡ因子;factor ⅩⅡ

 第ⅩⅡ因子は接触因子として内因系凝固の初期の段階に関与するセリンプロテアーゼであり,その活性化は固相としてガラスやカオリンなど,液相としてカリクレインやプラスミンなどによってそれぞれ起こる.この因子はHageman因子とも言われ,分子量80,000の糖蛋白である.

細胞診

浦部 幹雄

pp.1179

91)タッドポール細胞;tadpole cell

 オタマジャクシ型細胞と邦訳され,良性と悪性との二種がある.重層扁平上皮の表層細胞の角化傾向とともに出現する.分化型扁平上皮癌細胞によくみられ,角化型と非角化型とがある.濃縮性の悪性核を頭に尾状の長い細胞質を示すので,この言葉が用いられる.

質疑応答

臨床化学 セ・ア膜電気泳動で原点に残る変性蛋白様物質は?

長 裕子 , M子

pp.1181-1182

 〔問〕 セルロースアセテート膜電気泳動法において,原点に残る変性蛋白様のものが見られました.血清には,乳び,溶血,黄疸などが見られず,当日,免疫グロブリンをSRID法で測定すると,IgAが83mg/dl (130〜290),IgMが700mg/dt (100〜180),IgGが1,200mg/dl (800〜1,800)で,IgMが高値を示しました.分画は,A1bが59.1%,α1が16.3%(原点),α2が9.0%,βが6.3%,TPが7.2g/dlで.M蛋白は見られませんでした.この変性蛋白様のものはアセテート膜の裏まで透過せず,塗布面に残っていました.これは,どのような場合に見られるのでしょうか.また,前処理などがあればお教えください.

臨床化学 オロト酸の定量

松村 義寛 , K生

pp.1182-1184

 〔問〕オロト酸(orotic acid)の臨床化学測定の意義と,現在用いられている測定方法についてお教えください.

免疫血清 再び"TPHAの場合,血清を不活化する必要がないのはなぜか"/B型肝炎予防ワクチンについて

鈴田 達男 , 矢島 弘子 , T生 , 下条 寛人 , X生

pp.1184-1185

 〔問〕本誌vol.24 no.13(1980年12月号)の梅毒血清反応についての解答6.について,不活化しなくてもよい第一の理由として私は,TPHA用吸収溶液中に抗補体物質である塩化コリンが含まれていることがあると思います.ちなみに,不活化しないで行うRPRサークルカードテストも緩衡液中に塩化コリンが含まれています.考えをお聞かせください.

 〔問〕HB抗原検査を担当している者ですが,その感染予防としてHBワクチン接種を行っている所があると聞きました.私もできれば抗体を作っておきたいと思っています.一般の技師でも接種を受けられるのでしょうか.その手続きはどうしたらよいのでしょうか.

病理 マラコプラキア判別用特殊染色について

河内 実世 , M生

pp.1185-1187

 〔問〕マラコプラキアの判別の際に用いられる特殊染色について,組織学的,細胞診的立場からの知見をお教えください.

一般検査 尿蛋白陽性時の尿沈渣

藤林 敏宏 , 川端 邦弘 , R子

pp.1187-1190

 〔問〕試験紙法で蛋白が(2+)75mg/dlも出ているのに,沈渣では白血球が2〜3個/1視野のことがよくあります.尿は見た目にはきれいです.どういう理由ででしょうか.なお試験紙部分の成分は,クエン酸,クエン酸ナトリウム,ブロムフェノルブルーなどです.

一般検査 尿沈渣鏡検中の細菌について

猪狩 淳 , S生

pp.1190-1192

 〔問〕尿沈溢で細菌が出ている場合,どのくらいの数なら常在菌として記入しなくてよいのでしょうか.また女性の場合,腟杆菌を認めることがあり,これが大腸菌などと識別できないため亜硝酸試験を行っています.しかし,このテストは偽陰性が多く,余り信頼できないように思えます.臨床へは即時回答なので,グラム染色をしている時間はありません.このような場合,どのように処理したらよいのでしょうか.

 また,抗生物質使用中の尿の細菌数は当然少なくなっていますので,少しの細菌でも記入すべきでしょうか.臨床に役立つデータの送り方をお教えください.

診断学 総蛋白変動要因及び体内摂取のメカニズム

老籾 宗忠 , S子

pp.1192-1194

 〔問〕 癌患者で外来時総蛋白値が低下しており,入院後蛋白製剤を投与しても値は上昇せず,むしろ低下することがあります.その後,輸液を繰り返しても値は高くなりません.蛋白変動要因及び体内に取り入られるメカニズムについてお教えください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

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64巻4号(2020年4月発行)

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64巻3号(2020年3月発行)

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64巻2号(2020年2月発行)

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64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
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63巻12号(2019年12月発行)

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今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

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63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
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63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

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今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

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今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

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63巻2号(2019年2月発行)

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62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

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60巻12号(2016年11月発行)

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今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

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60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

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59巻10号(2015年10月発行)

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今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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