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特集 臨床神経生理学的検査の進歩 Ⅰ 脳波
9.体性感覚誘発電位
著者: 辻貞俊1 柴崎浩1
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設・神経内科
ページ範囲:P.1276 - P.1281
文献購入ページに移動 誘発電位とは末稍感覚受容器,またはそれが大脳皮質へ至る経路(感覚神経,中継核など)を適当な刺激で興奮させることにより,大脳皮質の感覚野,脳幹,脊髄に起こる電位変動を言う.近年の医用コンピュータの発達に伴い,種々の誘発電位が記録されるようになり,臨床面における客観的診断方法の一つとして注目されている.
ヒトにおける体性感覚誘発電位(somatosensory evo-ked potential;SEP)はDawson (19471),19502))により,重畳法(superimposition method)を用いて,ヒトの尺骨神経を電気刺激すると対側中心後回部の頭皮上の表面電極により小さな誘発電位が記録されたのに始まる.その後は体性感覚路病変の客観的診断法として応用されている.このSEPはいわゆる大脳皮質誘発電位であるため,末稍神経より大脳皮質に至る体性感覚路のいずれの病変でも異常所見がみられ,病変部位診断はできなかった.
ヒトにおける体性感覚誘発電位(somatosensory evo-ked potential;SEP)はDawson (19471),19502))により,重畳法(superimposition method)を用いて,ヒトの尺骨神経を電気刺激すると対側中心後回部の頭皮上の表面電極により小さな誘発電位が記録されたのに始まる.その後は体性感覚路病変の客観的診断法として応用されている.このSEPはいわゆる大脳皮質誘発電位であるため,末稍神経より大脳皮質に至る体性感覚路のいずれの病変でも異常所見がみられ,病変部位診断はできなかった.
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