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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻7号

1981年07月発行

文献概要

資料

血清,赤血球,組織リチウム濃度測定における問題点—測定方法について

著者: 江原嵩1 一村光子2 唐下博子2 大月三郎1 渡辺昌祐3

所属機関: 1岡山大学神経精神医学教室 2岡山大学医学部付属臨床検査技師学校 3川崎医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.793 - P.797

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はじめに
 リチウム塩は,精神科領域において躁うつ病などの治療に応用され,その効果は画期的なものである.リチウム投与量は,血清リチウム濃度や赤血球リチウム濃度を指標として決定され,精神科治療の中でもより科学的と言うことができる.有効性と安全性の面より"血清リチウム濃度"が設定され,成人では0.3〜1.2mEq/l2,7,13)と言われている.加えて,リチウムの作用機序や随伴症状発生の生理学的基盤の確立のために,ヒト赤血球リチウム濃度や動物組織内リチウム濃度の測定も行われている5,6,9)
 リチウム濃度測定に当たっては,原子吸光光度計や炎光光度計が用いられているが,一長一短があり,両者ともにナトリウム(Na)やカリウム(K)などのイオンが干渉することもよく知られている1,4,10,14).特に,血清,赤血球,組織などの,Na,K,カルシウム(Ca),マグネシウム(Mg)イオン濃度の異なる資料におけるリチウム濃度測定に当たっては,大きな誤差が発生することが予測される.それゆえ,我々は,本邦におけるリチウム濃度測定の現状を知ると同時に,リチウム濃度測定の精度を決定する標準液について考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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