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研究
正常成人女性における白血球アルカリホスファターゼ値の周期性変動
著者: 森智恵美1 菊池陽子1 竹田洋子1 堀江久美子1 工藤秀機1 椎名晋一1 坂本忍2
所属機関: 1東京医科歯科大学病院検査部 2東京医科歯科大学難治疾患研究所内分泌
ページ範囲:P.904 - P.906
文献購入ページに移動アルカリホスファターゼはいろいろな組織に広く分布する酵素であり,流血中では白血球細胞に認められる.白血球内のアルカリホスファターゼ活性はLAPもしくはNAPと称され,慢性骨髄性白血病や発作性夜間血色素尿症など,主として血液疾患の診断や病状経過を追跡する際の重要な臨床検査項目の一つとなっている.LAP値の測定は組織化学的方法に基づいて行われ,通常,標本の染色性を確認するため,検体のほかに正常対照が置かれる.
ところが最近我々はLAP測定時に,対照に置いた正常成人女性のLAP値が測定日によって著明に変動し,正常対照となしえなかったケースを何度か経験したので,その原因を追究するために正常人のLAP値変動に関する検討を行った.またLAPと並んで臨床検査上,よく実施されるペルオキシダーゼ(PO)活性についての検討も併せ行ったので,その結果を報告する.
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