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Ex Laboratorio Clinico・57
ウイルス性下痢症
著者: 今野多助1
所属機関: 1東北大学小児科
ページ範囲:P.1022 - P.1026
文献購入ページに移動はじめに
最近のウイルス性下痢症(胃腸炎)の研究の進展は目覚しい.1972年に米国NIHグループがノオホークウイルス(norwalk virus)を免疫電子顕微鏡(電顕)法で確認し,翌1973年にはオーストラリアのBishopらが乳幼児下痢症の小腸粘膜の生検標本の電顕観察によってロタウイルス(rotavirus)を発見,英国のFlewettらが下痢症患者の糞便中にロタウイルスが排泄されることを確認したのが研究進展の端緒である.その後の多くの研究者によってロタウイルスが乳幼児下痢症の最も重要な病因であることが確認されるに至っており,ロタウイルスが下痢症ウイルスの代名詞的に呼ばれるほどである.しかし,ロタウイルス,ノオホークウイルスの他に幾つかのウイルスが下痢症ウイルスとして知られるようになっているのが現状である.このような事情を踏まえつつ,我々のロタウイルスをはじめとする下痢症ウイルスの研究の経緯などを記述したい.
最近のウイルス性下痢症(胃腸炎)の研究の進展は目覚しい.1972年に米国NIHグループがノオホークウイルス(norwalk virus)を免疫電子顕微鏡(電顕)法で確認し,翌1973年にはオーストラリアのBishopらが乳幼児下痢症の小腸粘膜の生検標本の電顕観察によってロタウイルス(rotavirus)を発見,英国のFlewettらが下痢症患者の糞便中にロタウイルスが排泄されることを確認したのが研究進展の端緒である.その後の多くの研究者によってロタウイルスが乳幼児下痢症の最も重要な病因であることが確認されるに至っており,ロタウイルスが下痢症ウイルスの代名詞的に呼ばれるほどである.しかし,ロタウイルス,ノオホークウイルスの他に幾つかのウイルスが下痢症ウイルスとして知られるようになっているのが現状である.このような事情を踏まえつつ,我々のロタウイルスをはじめとする下痢症ウイルスの研究の経緯などを記述したい.
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