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研究
沖縄県離島におけるレプトスピラ症に関する疫学的研究(第1報)—伊平屋島について(昭和54年4月)の調査成績
著者: 住勝実1 家城やえ1 三村幸一1 高嶋隼二1 松岡瑛1 伊集朝成2 比嘉政昭2
所属機関: 1兵庫医科大学病院中央臨床検査部 2沖縄県名護保健所
ページ範囲:P.1039 - P.1042
文献購入ページに移動本邦に分布する主要な病原レプトスピラの血清型(serotype, serovar)は,icterohaemorrhagiae, autumnalis,hebdomadisであるが,その他数種の血清型の浸淫が疫学的に知られている1〜5).1972年福村らは,沖縄県西北部に位置する離島,伊是名島で多発した熱性疾患について,その起炎菌がLeptospiraであることを証明し,血清型pyrogenesと同定し報告している.福村らは更に,沖縄本島における疫学調査からもpyrogenesの抗体保有者のあることを報告している6〜9).本症は我が国では沖縄県以外についての報告はなく,沖縄県離島及び本島での疫学調査が注目されている.
筆者らは,1975年より沖縄県内の離島辺地の地域住民に対し,経年的に成人病検診を実施してきたが,先の伊是名島から約10km隔てた伊平屋島の集団検診を1979年5月に実施した際,pyrogenes, autumnalis, hebdoma-disの3種の血清型レプトスピラ抗原に対する抗体価を測定し,若干の疫学的知見を得たので報告する.
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