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文献概要
今月の主題 栄養 総説
栄養の問題と臨床検査
著者: 細谷憲政1
所属機関: 1東京大学医学部保健学科保健栄養学教室
ページ範囲:P.43 - P.49
文献購入ページに移動 昭和56年の7月半ばごろ,『臨床検査』の編集部から,昭和57年の1月号は"栄養"を主題として取り組みたいので,「栄養とビタミン」という標題で,総説を執筆してくれと依頼してきた.諸栄養(素)とビタミンとの関係,相互作用(機能),人体(健康)に対する両者の作用,すなわち,栄養(素)とビタミンの発癌,制癌作用や,あるいは,その他の具体的な作用などについて,最近の知見を交えて執筆してくれと.そこで,添付されてきた執筆目録を拝見したところ,栄養問題に対する基本的な考えかた,取り組みかたに,私の立場としては,多少納得のできない点もあったので,お断りすることにした.
しかしながら,紹介の労をとってくれた先生方に失礼申し上げてはと思い,旧友の山中學教授に,その旨を伝えた.ところが,山中教授からは,私が主張している,人体側面からみる栄養問題の取り組みについて,何の制限もなく,自由な立場で執筆してくれと強く要請されてしまった.人体側面から栄養の問題を取り組む場合には,臨床検査との関連が大きなウェイトを示してくることになるので,栄養問題における臨床検査の位置づけについて記述してはどうかと.そこで,いたしかたなく,結果的には執筆を引き受けることになり,締め切りをギリギリまで延ばしてもらって,つぎはぎの一文を提出することにした.
しかしながら,紹介の労をとってくれた先生方に失礼申し上げてはと思い,旧友の山中學教授に,その旨を伝えた.ところが,山中教授からは,私が主張している,人体側面からみる栄養問題の取り組みについて,何の制限もなく,自由な立場で執筆してくれと強く要請されてしまった.人体側面から栄養の問題を取り組む場合には,臨床検査との関連が大きなウェイトを示してくることになるので,栄養問題における臨床検査の位置づけについて記述してはどうかと.そこで,いたしかたなく,結果的には執筆を引き受けることになり,締め切りをギリギリまで延ばしてもらって,つぎはぎの一文を提出することにした.
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