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材料別細菌検査の進め方・1【新連載】
喀痰検査法—一般細菌について
著者: 播金収1 鷲津良道2 山中喜代治3 増谷喬之1 小栗豊子4 佐久一枝5 三輪谷俊夫6
所属機関: 1奈良県立医科大学病院中央臨床検査部細菌検査室 2京都府立医科大学病院臨床検査部血清検査室 3大阪・大手前病院細菌検査室 4順天堂大学医学部付属順天堂医院中央検査部細菌検査室 5東京都立駒込病院臨床検査科細菌検査室 6大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
ページ範囲:P.90 - P.97
文献購入ページに移動喀痰検査は下気道感染症—肺感染症の起病菌を検出し,起病菌の薬剤感受性を調べることによって診断,治療に役立てるために行う検査である.喀痰の喀出機構からみて,喀痰が形成される下気道炎症部の起病菌のみならず,常在菌群が生息している上気道部—気管,咽喉,口腔を通過してくる過程で,当然のことながら自然喀出喀痰の表層部に多数の上気道常在菌群が付着するため,真の起病菌を決めることが非常に難しい臨床細菌検査の代表的なものの一つである.
船田ら1)は,上気道常在菌叢を①固定的菌叢(すべての人に共通して検出される菌群)と②流動的菌叢(普遍的には検出されない菌群)の二つに大別し,α-およびγ-Streptococcus, Micrococcus,Neisseria, Corynebacteriumの五菌種を固定的菌叢,Haemophilus influenzae, H.parainfluenzae, Streptoco-ccus pneumoniae, Staphylococcus aureusなどを流動的菌叢として報告しており,われわれも認容している.
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