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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻2号

1982年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症 総説

炎症とプロスタグランジン

著者: 室田誠逸1

所属機関: 1東京都老人総合研究所薬理研究室

ページ範囲:P.165 - P.174

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 組織や細胞が損傷を被ると,その原因となるものを排除し,その局所を元の状態へ戻すように,生体の防衛反応が開始される.いろいろな顆粒球や単核球,マクロファージなどが動員されてその場へ集まってくると同時に,分裂・増殖も行われ,異物の処理を行うとともに,自らもいろいろなリソソーム酵素を放出したり,炎症の化学調節因子(chemical mediator)と称される種々の活性物質の産生に寄与して血管の透過性を亢進したりして,消炎に努める.
 では,なぜこのように白血球やリンパ球が炎症の場へ集まってきたり,その場の血管の透過性が亢進したりするのであろうか.おそらく,炎症が起こるとその場で白血球を引き寄せる物質が作られ,また血管の透過性を亢進させるような物質が作られるからであろう.最近,アラキドン酸カスケードで作られる物質の中に,こういった作用を持つものが多数見つかってきた.ここでは,まずアラキドン酸カスケードとは何かということから述べてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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