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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻2号

1982年02月発行

文献概要

負荷機能検査・26

アルギニン負荷グルカゴン試験

著者: 平林秀光1 本間達二1

所属機関: 1信州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.192 - P.200

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はじめに
 膵内分泌腺はヒトではランゲルハンス島(ラ島)として存在し,B細胞からインスリンを,A細胞からグルカゴン(glucagon)を,D細胞からソマトスタチンを,PP細胞から膵ポリペプチド(pancreatic polypcptide)をそれぞれ分泌することが明らかにされている(図1).インスリンは1922年にBantingおよびBestが発見,それ以後,膵内分泌と糖の関係が確立され,1955年にはSangerにより一次構造が決定された.グルカゴンは1923年にインスリン製剤中に混在する高血糖性因子(hyperglycemic factor)として発見されたものであるが,1956年にBronerにより構造決定され(図2),1959年にはUngerがラジオイムノアッセイ(RIA)法を確立した.膵ポリペプチドはChance,Kimmelらによって,やはりインスリン製剤中に発見され,ヒトにおいて非刺激下およびセクレチンとセルレインの併用による刺激下で分泌された膵外分泌を抑制する作用を持っている.また1973年,視床下部から抽出されたソマトスタチンは,成長ホルモン分泌抑制作用のほか,グルカゴン,インスリンの分泌抑制作用を持つことが明らかになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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