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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻2号

1982年02月発行

文献概要

分離分析の技術Ⅰ・2

銀染色による微量蛋白分析法—脳脊髄液蛋白質の分析

著者: 菅野浩1

所属機関: 1新潟大学理学部化学科生体物理化学教室

ページ範囲:P.213 - P.222

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 ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gel;PAG)電気泳動の染色には,クマシー(Coomassiebrilliant blue;CBB)が現在もっとも普通に用いられている.ところが最近,この100倍も感度が高いという銀染色法が登場し,従来,事前に濃縮しないと泳動分析が不可能であった尿や脳脊髄液のような蛋白濃度の低い試料でも,濃縮操作なしに直ちに泳動できるようになった.また,ごく微量しかない試料では銀染色法を用いて初めて泳動分析が可能となり,ミクロ分離分析法としての電気泳動法の新たな発展の局面を迎えつつある.
 銀染色法は1979年のSwitzerら1)の報告によって多くの人の注目を集め,同じ年にMerrilら2)はこの方法を大腸菌蛋白および血漿,脳脊髄液,羊水,尿などの体液に適用して高感度染色の実験例を示した.一方,これとは別に,Kerenyiら(1972)3),Verheecke (1975)4),Karcherら(1979)5)は,濃縮しない脳脊髄液を用いて寒天ゲル電気泳動,免疫電気泳動,免疫拡散を行い,Switzerらの方法とやや異なる銀染色法を用いて発色させている.Switzerらの原法はその後Me-rrilら(1981)6,7)によって改良が加えられ,操作が簡略化されるとともに,硝酸銀の使用量も非常に少なくて済むようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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