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分離分析の技術Ⅰ・4
ディスク電気泳動法—血清蛋白質の分画
著者: 竹尾和典1
所属機関: 1山口大学医学部第1生化学教室
ページ範囲:P.477 - P.483
文献購入ページに移動 ディスク電気泳動法はOrnsteinとDavis1)によって創案された電気泳動法であって,ポリアクリルアミドゲルを支持体とし,蛋白分画をガラス管の中でディスク状に泳動分離するためにこの名称がある.
電気泳動法における分画の分離性の良否は泳動技術の面から考えれば,①試料をいかに狭い幅に重ねることができるか,②蛋白分画の拡散をいかに最小限にとどめることができるか,にかかっている.ディスク電気泳動法はこの二点を,①分子篩作用を持たないポリアクリルアミドゲル(粗孔ゲル)の中で等速電気泳動法の原理を利用して試料蛋白液層を泳動しながら濃縮し,1/100〜1/1,000mmの薄層に集積──stacking──した後,②分子篩効果を持ったポリアクリルアミドゲル(細孔ゲル)を用いて拡散を可及的に最小に抑えて泳動することによって解決している.
電気泳動法における分画の分離性の良否は泳動技術の面から考えれば,①試料をいかに狭い幅に重ねることができるか,②蛋白分画の拡散をいかに最小限にとどめることができるか,にかかっている.ディスク電気泳動法はこの二点を,①分子篩作用を持たないポリアクリルアミドゲル(粗孔ゲル)の中で等速電気泳動法の原理を利用して試料蛋白液層を泳動しながら濃縮し,1/100〜1/1,000mmの薄層に集積──stacking──した後,②分子篩効果を持ったポリアクリルアミドゲル(細孔ゲル)を用いて拡散を可及的に最小に抑えて泳動することによって解決している.
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