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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻6号

1982年06月発行

文献概要

分離分析の技術Ⅰ・6

電気泳動法によるHbAIの測定

著者: 馬場茂明1 窪田伸三1 老籾宗忠1

所属機関: 1神戸大学医学部内科学第2講座

ページ範囲:P.702 - P.707

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はじめに
 健常者赤血球溶血液の電気泳動を行うことにより,1955年,Kunkelら1)が初めてメジャーヘモグロビン(major hemoglobin;HbAII)の陽極側に析出するファストマイナーヘモグロビン(fast minor hemoglobin;HbAI)を発見した.1958年2),1959年3),SchroederらはこのHbAIをカラムクロマトグラフィーを用いて五つの亜分画に分け,HbAIa, b, c, d, eと命名した(図1).1968年,Rahbar4)らが糖尿病患者において,このHbAIcが健常者に比較して約2倍に増加することを報告して以来,HbAIcと糖尿病との関係が注目されてきた,HbAIはヘモグロビン鎖のアミノ基N末端にグルコースがSchiff塩基結合し,さらにアマドリ転位し,ケトアミンを形成したもので(図2),HbAI生成は非酵素的で赤血球寿命約120日の間,徐々に行われると言われている5),現在,HbAIは長期の糖尿病コントロールをみる指標の一つとして有用視されている.HbAId, eはごく微量であり,HbAIa, bは量的に少なく,糖尿病患者ではHbAIcの変動と並行6)しており,またHbAIの中でHbAIeが大半を占めていることから,HbAIcの変動を臨床的にはHbAIa+b+c(HbAI)として観察していることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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