icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻6号

1982年06月発行

文献概要

編集者への手紙

アミロイド染色のコンゴーレッドを用いたHighman法について

著者: 前田明1 杉山朝美1 石野真理子1

所属機関: 1東邦大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.708 - P.708

文献購入ページに移動
 組織に沈着したアミロイド物質の光顕的証明法として,Bennhold1)がコンゴーレッドを用いた方法を紹介して以来,いくつかの変法がみられる2〜6).日常行われているものとしては,Highman2)の方法が一般的ではないかと思われるが,分別を要するため,Puchtlerら3)のアルカリ性コンゴーレッド法が推奨されるようになってきた.しかし,この方法については,手技の煩雑さや,染色度が弱いなどの指摘もみられる5).われわれは,Highman法の分別過程をわずかに変えて,比較的良好な染色結果を得ているので紹介したい.
 5〜6μmの切片を脱パラフィンする.必要に応じてホルマリン色素除去を行うが,ホルマリン色素は偏光を示すため,沈着のみられる場合,除去することが望ましい.われわれは5%塩酸純アルコール中で10〜15分間処置している.切片を軽く水洗し,コンゴーレッド液2)で15分間染色する.もし頻繁に使用しない場合は,毎回新しく液を作り直したほうがよい.次に20〜30%エタノールを二回通し,過剰の染色液を除去する.このとき切片を振動して,できるだけ早く染色液を落とすことが重要である.次に切片を流水中で軽く洗い,進行性ヘマトキシリンで核染色する.核染色は最初に行ってもよいが,切片が厚いため共染をきたすようなおそれがあれば,時間を短く染色することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?